冬のある朝、住み慣れた故郷を離れた。最愛の妹を連れてーー
私達は、小さな街の養護施設で出会った。
大人が1人、子供が5人。
不自由はないけれど、楽しみもない。ただ子供の成長を待つ、それだけの家。
施設の子供の中に、年の近い女の子がいた。
血の繋がりなんてないのに、なぜか私を“お姉ちゃん”と呼んだ。
『この家の子は、みんな兄弟なのよ』
そんな大人の言葉を鵜呑みにして、本当の姉のように慕ってくれた。
はじめは鬱陶しくて仕方がなかったのに……。
いつしか女の子は、私にとっても大切な“妹”となった。
あれから10年ーー
高校生活のかたわらバイトをして、必死にお金を貯めた。
妹が高校を卒業すると同時に、私達は小さな街を出た。
あんな場所で、人生を終わらせるつもりはない。
産みの親にも育ての親にも、未練なんてかけらもない。
私達はこの街で、全てを手に入れる。
今まで私達がどんなに望んでも手に入らなかった、全てを。
幸いこの街には、私達の望むものがそこら中に転がっている。
この世界を支配する地位と権力、そしてお金ーー
自分の努力次第で、何でも手に入る。
出自に関係なく、私達には平等にチャンスが与えられている。
ローズ「ねぇ、お姉ちゃん。この街最高だね!」
バイオレット「気に入った?」
ローズ「もちろん!」
バイオレット「ローズ、この街でやり直すわよ。
今までの人生なんて関係ない。ここが私達の本当の出発地点なの」
ローズ「うん」
あんたに世界で一番の幸せを与えてあげる。
それができるのは、私だけ。
ローズ、あんたの笑顔は私が守る。
例え、どんなに汚い手を使ってでもねーー
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血の繋がりより強い絆。
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