幸せか不幸かは、その人の捉え方次第であるーー
パタン
バイオレット「またトイレ?」
ローズ「……」
バイオレット「最近ずっと体調悪そうね。いい加減、病院に行きなさい」
ローズ「大したことないから大丈夫」
バイオレット「暇な時はずっと横になってるし、食欲は旺盛なのにすぐもどすじゃない。
これじゃあ、まるで妊婦さん……」
バイオレット「……」
ローズ「……」
バイオレット「まさか……嘘でしょう!?」
マリオン「あら、ウィル。今帰り?」
ウィル「夜勤だったんだ」
マリオン「刑事さんも大変ね。そういえば……」
バイオレット「ふざけないで!あんた一体何考えてるのよ!!」
マリオン「……何事かしら?」
コンコン
ウィル「バイオレット、大丈夫!?開けるよ」
ガチャ
マリオン「ちょっとあんたたち、どうしちゃったのよ?」
バイオレット「……」
バイオレット「自分の口から言いなさいよ」
ローズ「……妊娠したの」
マリオン「妊娠!?」
ウィル「それは……確かなの?」
ローズ「産婦人科でも診察してもらった。3ヶ月だって」
マリオン「ローズ、あんた彼氏なんていたの?」
バイオレット「いないわよ!どこの誰とも知らない男と、一夜限りの関係を持って妊娠したの!!」
ウィル「バイオレット、落ち着いて……」
バイオレット「落ち着いて?落ち着いていられるわけないでしょう!?」
マリオン「ウィル、私はローズと話すから、バイオレットを連れていって」
ウィル「わかった」
バイオレット「……」
パタン
マリオン「ローズ、何があったのよ?」
ローズ「……」
ローズ「……お姉ちゃんの言った通り。少し前に知り合った男性と関係を持って、妊娠したの」
マリオン「相手の男性の連絡先はわかる?」
ローズ「名前も知らない」
マリオン「天然なところはあっても、案外しっかりしてると思ってたのに……。
どうしてこんなバカなことしたのよ」
ローズ「後悔はしてない」
マリオン「そんな強がり言ってる場合じゃ……」
ローズ「強がりじゃないよ。本当に、私は至って冷静だから」
マリオン「ローズ……?」
ローズ「仕事は安定しているから、定期的な収入がある。幸い在宅で続けられる仕事だし、お姉ちゃんのおかげで多少の蓄えもある」
マリオン「一応聞いておくけど……産むつもりなのね?」
ローズ「当たり前でしょう」
ローズ「妊娠は想定外だったけど、大丈夫。シングルマザーでも立派に育ててみせるから。
その用意もあるし、覚悟だってできてる」
ローズ「ただ……」
マリオン「ただ?」
ローズ「お姉ちゃんに嫌われるのだけは……耐えられない」
マリオン「ローズ……」
マリオン「いらっしゃい。大丈夫、大丈夫だから」
マリオン「バイオレットのことはウィルに任せて、今はとにかく自分の体のことだけ考えなさい。良いわね?」
ローズ「……うん」
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子供の父親は、誰?
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m