物理的な距離は、心の距離にも影響を及ぼすーー
ローズ「う~ん……」
バイオレット「どうしたの?」
ローズ「カイルの服を収納する場所がなくて、困ってるの」
バイオレット「また新しい服を買って来たの?」
ローズ「だって、カイルは今が一番可愛い時期なんだよ!オシャレを楽しまなきゃ」
バイオレット「本人は、オシャレに興味がないみたいよ」
カイル「ガオ、ガオー!」
ローズ「そのうちオシャレに目覚めるはず……」
バイオレット「どんな英才教育よ」
バイオレット「オシャレはどうでも良いけど、いい加減この部屋じゃ窮屈ね」
ローズ「元々、一人暮らし用のアパートだもんね」
バイオレット「貯金も貯まってきたことだし、そろそろ引っ越しましょうか?」
ローズ「……え?」
バイオレット「今後さらに物が増えるでしょうし、今のうちにもっと広い部屋に引っ越すのよ」
ローズ「そんなのダメだよ!」
バイオレット「どうして?」
ローズ「マリーちゃんやウィルと離れたくないもん」
バイオレット「離れるって……街を離れるわけじゃないわよ?ジェシーさんだって、別のエリアに住んでるけど定期的に会っているでしょう?」
ローズ「そう、定期的だよ。毎日じゃない」
ローズ「お姉ちゃんは、ウィルと離れても平気なの?」
バイオレット「ローズ……」
ローズ「マリーちゃんやウィルは、私たちの家族みたいなものでしょう?離れるなんて、絶対ダメ!」
バイオレット「……わかったわよ」
バイオレット「引っ越しの件は、却下でいいわ」
バイオレット「ただし、ここに住み続けるつもりなら、荷物は減らしてもらうわよ?」
ローズ「荷物は減らさなくても大丈夫。ちょうど良い収納場所を思いついたから」
バイオレット「……収納場所?」
ウィル「……で、この荷物は何?」
ローズ「ファッションアイテムだよ。いやー、ウィルがお姉ちゃんの彼氏で本当に良かった!」
ウィル「?」
バイオレット(ローズ……)
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彼氏というより、ただの便利屋。
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