人との縁は、自分の意思でコントロールできるものではないーー
バイオレット(仕事の都合上、他人とは極力関わりたくないのに……。
厄介なことになったわ)
ローズ「お姉ちゃん、ちょっと出かけて来るね」
バイオレット「こんな時間にどこ行くつもり?」
ローズ「マリーちゃんから連絡があったの。例の常連さんを紹介してくれるって」
バイオレット「そう……。私も行くわ」
ローズ「一人で大丈夫だよ」
バイオレット「私も見たいのよ、マリーちゃんのお店」
ローズ「あ、やっぱり気になる?じゃあ一緒に行こう」
バイオレット「ここがマリーちゃんのお店?」
マリオン「……あら、噂をすれば。よく来たわね、小悪魔姉妹」
ローズ「こんばんはー!」
バイオレット(オカマバーじゃないんだ……)
マリオン「ジェシー、この子が例の女の子よ。どう?なかなか可愛いでしょ」
ジェシー「そうだな」
マリオン「ローズ、この人がメディアに詳しい常連さんよ」
ジェシー「初めまして。ジェシー・カーキだ」
ローズ「初めまして」
ローズ「ローズ・ピンクです。こっちは姉のバイオレット・ブラック」
バイオレット「……初めまして」
マリオン「ジェシーは、いわゆる業界人なの。
顔が広いから、ファッションメディアの仕事も紹介してくれるはずよ」
ジェシー「業界は業界でも、俺は音楽業界の人間だぜ?」
マリオン「なによ、色男。
あんたならファッション関係者の一人や二人、紹介できるでしょ?」
ジェシー「はぁ……」
ジェシー「こんな美人に頼まれたら、断り辛いな」
マリオン「もう、上手いんだから」
ジェシー「一応心当たりはあるから、声掛けてみるよ」
ローズ「よろしくお願いします」
ジェシー「悪い、マスター。もう行くわ」
マリオン「あら、もう行っちゃうの?」
ジェシー「連絡する」
ローズ「ジェシーさんは、マリーちゃんの恋人?」
マリオン「だったら良いんだけどね」
マリオン「残念ながら、ジェシーにはもう何年も片想いしてる大本命がいるのよ」
バイオレット「見た目に反して、案外一途なのね」
ローズ「あんなカッコいい人が何年も片想いするなんて、どんな人だろう?」
マリオン「私も、色男の想い人がどんな人か気になるけど……。
この店にはいつも一人で来るから、見たことないのよね」
バイオレット(悪い人間ではなさそうだけど……簡単に信用はできないわね)
マリオン「さぁ、あんた達!おごってあげるから何か飲んで行きなさいよ」
ローズ「わーい!」
ローズ「私、オレンジジュース!」
バイオレット「私はアイスコーヒー」
マリオン「……あんた達にバーなんて、十年早いわね」
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これでもまだ、未成年ですから。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いします。