過去は変えられないが、未来はいくらでも変えられるーー
ローズ「お姉ちゃん……カイル痩せた?」
バイオレット「えぇ。全然ご飯を食べてくれないせいで、随分体重が落ちたわ」
バイオレット「夜もろくに寝ていないし、最近は大好きなおもちゃでも遊んでくれない」
ローズ「どうして……」
バイオレット「小児医療専門の病院にも行ってみたけど、原因は不明だそうよ」
ローズ「どうしよう……こんなに深刻だと思わなかった」
バイオレット「私が散々カイルの様子がおかしいって訴えていたのに、今更何言ってるの?」
ローズ「私が側にいなかったから……もしかして、精神的な問題なのかな?」
バイオレット「そうね。先生の話では、精神的な問題か虐待かのどちらかですって」
ローズ「虐待!?」
バイオレット「そうよ、危うく通報されるところだったんだから!」
ローズ「そんな……」
バイオレット「そういえば、ある先生から聞かれたんだけど……遺伝的な病気は考えられない?」
ローズ「遺伝?」
バイオレット「あなたか、あるいは父親に問題があると、子供にも同じ症状が現れる可能性があるのよ」
ローズ「……どっちもわからないよ」
バイオレット「そうね。ローズを見ている限り、健康そのものだけど……父親の方は見当もつかないわね」
バイオレット「せめて連絡先がわかれば、父親側だけでも遺伝的な問題がないか確認できるんだけど……」
ローズ「……」
ダメなママでごめんね、カイル。
お金のことも、体のことも……カイルのために頑張っているつもりが、全部裏目に出てしまった。
お金なんてまた稼げば良い、今はカイルの健康を優先しないと……。
ローズ「お姉ちゃん、私、仕事全部キャンセルする」
バイオレット「ローズ?」
ローズ「見つかるかわからないけど、カイルの父親を探してみる」
カタカタ カタカタ……
ウィル「……」
ウィル「そろそろ潮時だな」
ウィル「バイオレットーー」
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ウィリアムが動き出すようです。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m