いつだって終焉は、呆気ないものであるーー
バイオレット「こんにちは」
職員A「あら、ブラックさん。こんにちは」
バイオレット「寄付はできますか?」
職員A「すみません、少々お待ちいただけますか?今、お客様がいらしていて……」
バイオレット「お客様?珍しいですね」
ウィル「やぁ、バイオレット」
バイオレット「……ウィル?」
バイオレット「どうしてここに……」
職員A「あら、お知り合いなんですか?」
ウィル「えぇ」
ウィル「ちょっと時間もらえるかな?」
バイオレット「……」
バイオレット「……すみません」
バイオレット「もうここに来ることは、ないかも知れません」
職員A「え?」
職員A「……」
職員A「ブラックさん……?」
ウィル「仕事柄、色々な情報が集まって来るんだ」
ウィル「知りたい情報も、知りたくない情報もね」
バイオレット「……」
バイオレット「どこまで知っているの?」
ウィル「そうだな……」
ウィル「俺の恋人は、富裕層をターゲットにした窃盗団の幹部で、毎月養護施設に莫大な寄付をしているってことくらいかな」
バイオレット「全て知っているのね……」
バイオレット「……いつから怪しいと思っていたの?」
ウィル「君が『警備員』だって、嘘をついた時から」
バイオレット「出会ったばかりの頃じゃない」
ウィル「若い女の子の職業として違和感を覚えて、調べたんだ」
バイオレット「そんな何気ない一言で……?」
ウィル「どんな小さな違和感も見逃さない。それが、俺の仕事だからね」
バイオレット「……」
バイオレット「嘘をついてごめんなさい」
バイオレット「仕事も、プライベートも……」
ウィル「俺も知りながら黙っていたんだから、同罪だ」
バイオレット「私を逮捕しに来たんでしょう?」
ウィル「……いや、逮捕はしない」
バイオレット「見逃すつもり?」
ウィル「それはできない」
バイオレット「それじゃあ……」
ウィル「逮捕はしないけど、見逃すつもりもない。ローズやカイルを悲しませることもしたくない。だから……」
ウィル「『司法取引』をしないか?」
バイオレット「『司法取引』……?」
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それぞれが秘密を抱えているBP編。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m