辛いことも楽しいことも、全てを共有できるのが家族ーー
バイオレット「ただいま」
ローズ「お姉ちゃん!どこ行ってたの?」
ローズ「最近家を空けてばっかり……どうしたの?」
バイオレット「ごめんね。でも、ようやくひと段落ついたわ」
ローズ「ひと段落って……何が?」
バイオレット「司法取引」
ローズ「……何それ?」
バイオレット「ローズ、ちょっと良い?話さなければならないことがあるの」
ローズ「……うん」
バイオレット「今まで、私の仕事は『警備員』だって伝えていたでしょう?」
ローズ「うん。だから夜中働いていたんでしょう?」
バイオレット「嘘なの」
ローズ「……え?」
バイオレット「本当は、ある犯罪組織に所属していたのよ」
ローズ「お姉ちゃん……」
バイオレット「嘘ついてごめんなさい」
バイオレット「でも、安心して。結局、警察との司法取引で、罪は軽くしてもらうことができたから」
バイオレット「ローズやカイルに迷惑がかかることはないわ」
ローズ「……」
バイオレット「あなた達はしばらく警察の監視下に置かれることになるけど、守ってもらえる」
ローズ「……お姉ちゃんは、これからどうするの?」
バイオレット「私は……ウィルとしばらく南の島に身を隠すわ。そこで警察の捜査に協力することになると思う」
ローズ「じゃあ、私達も……」
バイオレット「ダメよ。私と一緒にいたら、組織から狙われるかもしれない」
ローズ「それじゃあ、離れ離れになるってこと?」
バイオレット「……そうね」
ローズ「そんなのって……」
バイオレット「本当にごめんなさい。ローズが妊娠した時にあんなに怒ったのにね。私はもっとひどい嘘をついてしまった……」
ローズ「お姉ちゃん……」
ローズ「実は私も、謝らなければならないことがあるの」
バイオレット「……何?」
ローズ「お姉ちゃんの仕事のこと、知ってたよ」
バイオレット「……え?」
ローズ「本当はお姉ちゃんが警備員じゃないし、危険な仕事してるって知ってたの」
バイオレット「どうして……」
ローズ「警備員があんな大金稼げるわけないし、ウィルにもお姉ちゃんのこと色々聞かれたから」
バイオレット「……」
ローズ「本当はもっと早く止めるべきだったけど、私のためにしていることだと思ったら、何も言えなくなっちゃって……」
ローズ「お姉ちゃん、一人で辛い思いさせてごめんね」
バイオレット「謝ることなんてない。全部、私が悪いの」
ローズ「『私達』だよ。だって、私とお姉ちゃんはいつだって一緒でしょう?」
バイオレット「ローズ……」
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バイオレットは、嘘が下手。
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