守りたいものがあると、味方すらも敵に見えるーー
ローズ「ウィリアム・グレーさんですね」
ウィル「えっと……はい。」
ローズ「それでは、これより面談を始めます」
ウィル「あの、面談って……何の?」
ローズ「ウィルは、お姉ちゃんのことが好きでしょう?」
ウィル「え?それはまぁ、好きだけど……」
ローズ「お姉ちゃんは、私にとってたった一人の大切な家族なの」
ローズ「ウィルは良い人だって知っているけど、お姉ちゃんの彼氏になる前に一応面談をしておこうと思って」
ウィル「彼氏って……俺は別にそんなんじゃ……」
マリオン「ウィル、往生際の悪い男はモテないわよ」
ジェシー「そうそう、良い機会だからちゃんと話し合っておけよ」
ウィル「あの……どちら様ですか?」
ローズ「えーっと、ウィルは確か警察官だったよね」
ウィル「あぁ、うん。実は最近昇進して、刑事になったんだ」
マリオン「あら、この歳で刑事なんて将来有望ね」
ジェシー「公務員は給与が安定しているから、老後も安心だな」
ローズ「やっぱり家族を養えるか否かが重要ポイントだよね」
ウィル(あれ?交際どころか結婚の話になってる……?)
ウィル「あの……お姉さんが心配なのはわかるけど、チェックが厳しすぎるんじゃないかな?」
ローズ「そんなことない!」
ローズ「私とお姉ちゃんは、家庭の温かさを知らずに育ったの」
ローズ「お姉ちゃんには、本当に好きな人と一緒に幸せな家庭を築いて欲しい。
だからこそ、お姉ちゃんの恋人候補には妥協したくないの」
ウィル「ローズ……」
ウィル「温かい家庭に憧れる気持ちはわかるよ。でも、こんな面談は必要ないんじゃないかな」
ウィル「だって俺達は長い間そばで暮らして、信頼関係を築いてきたでしょう?」
ウィル「これからまた時間をかけて、少しずつ仲を深めていけばいいんじゃないかな」
ローズ「ウィル……」
ローズ「……わかった」
ローズ「お姉ちゃんとの交際を今すぐに認めることはできないけど……。
特別にデートは許可します」
マリオン「やったじゃない、ウィル」
ジェシー「ほらな、話し合ってよかっただろう」
ウィル「だからあなた、誰なんですか……?」
ローズ「デートは認めるけど、詳細は私達に逐一報告すること!」
ウィル「えっと……どうして?」
ローズ&マリオン&ジェシー「面白そうだから」
ウィル「……」
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保護者同伴の面談でした。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m