未来は常に、期待と不安に満ちているーー
クリス「よし、こんなものか……」
ハワード「お疲れ様です。雨の中、精が出ますね」
クリス「先生……」
クリス「最近、当たり前のようにうちに来ますね」
ハワード「ルナちゃんはお出かけ中ですか?」
クリス「えぇ、ライアンと一緒にリタの家に遊びに行ってます」
ハワード「クリスさんは残ってお仕事ですか?」
クリス「家を改築するための資金が必要なので、少しでも稼がないと」
クリス「さすがにライアンを外で寝かせるのも可哀想だし、ルナの部屋も作ってあげたいんです」
ハワード「なるほど」
ハワード「私の部屋は本棚を置きたいので、広めでお願いしますね」
クリス「先生……いよいよ一緒に住み始める気ですか?」
ハワード「あなたが公共施設暮らしをしていた頃が、懐かしいですね」
ハワード「よく私の家に洗濯機やシャワーやベッド、借りに来ましたっけ……」
クリス「……」
クリス「……一番良い部屋を用意させていただきます」
ハワード「ありがとうございます」
クリス「先生、ルナの様子はどうですか?」
ハワード「いたって健康そのものですよ。人間の子供と遜色ありません」
クリス「やっぱり人魚じゃないのかな……」
ハワード「まだわかりませんよ」
クリス「え?」
ハワード「オカルトに関する文献を調べてみたのですが、年齢を重ねて変異することがあるようです」
クリス「それって……」
ハワード「今は人間のようでも、将来的に人魚になる可能性があるということです」
クリス「……そうですか」
クリス(人魚についても、ルナの出生についても、今はわからないことばかり……)
クリス(このままじゃ、ルナの将来が不安だーー)
ハワード「今はルナちゃんの将来を楽しみに、成長を見守りましょう。私達で」
クリス「……先生のポジティブ思考、素直にうらやましいです」
ビクトリア『クリス、自分の人生を生きなさいーー』
部長、自分の人生がどこに向かっているのかわかりません。
正しいのか間違っているのかも、わからない。
それでも……。
後悔だけはないように、生きたいですーー
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ルナの一件で、畑のことなんてすっかり忘れてました。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m