恋の始まりは、唐突ーー
↓前編はこちら。
クリス「ルナ、これは……」
ルナ「お母さん」
ルナ「会いたかった。ずっと会いたかった……!!」
ミア「ごめん。ごめんね、ルナ……」
ハワード「あの人が、ルナちゃんのお母さんですか?」
ライアン「そうみたいですよ。そこの茂みで捕獲しました」
ハワード「茂みで……?」
ルナ「お母さん、どうして私を捨てたの?私のこと嫌い?」
ミア「ルナ……」
クリス「ルナ、お母さんは捨てたわけじゃないよ。どうしても一緒に暮らせない事情があったんだ」
ルナ「本当?」
ミア「えぇ……だから、親切なクリスさんにルナをお願いしたの」
クリス「ものすごく一方的にね」
ルナ「クリスは優しくしてくれたよ」
ミア「えぇ、知ってるわ」
ルナ「ハワードもライアンもリタも……みんな優しくしてくれた」
ミア「えぇ、そうね」
ルナ「私、お母さんとも一緒にいたい。お母さんはここで暮らせないの?」
ミア「ごめんね、ルナ。お母さんは、海に帰らないといけないの……」
ルナ「また会えなくなるの?」
ミア「……」
ライアン「もうここまでバレたなら、良いでしょう?たまには会いに来たらどうですか?」
クリス「ルナは大人になるまで、引き続きこの家で育てますよ。だからせめて、時々顔を出してあげてください」
ミア「ありがとうございます。そこまで言っていただけるなら……」
ミア「私もルナに会いたいもの」
ミア「それに……」
ハワード「お母さん、いつでも会いに来てください。私は個人的にお近づきになりたいと思っています」
ミア「私も……先生とは、個人的にお近づきになりたいと思っていました」
ミア「やだ、言っちゃった……」
クリス(あれ?何だ、この雰囲気……)
ハワード「もっとあなたのことを知りたいんです」
ミア「私も、先生のことが知りたいです」
クリス(え?嘘だろ……)
クリス「お母さん、その人の『お近づきになりたい』は『研究させろ』って意味ですよ。ヘタすると解剖されますよ!」
ミア「……」
ライアン「アレは完全に聞こえてませんね」
クリス「勘弁してくれよ……」
パシャン
クリス「ルナ、お母さんに会えて良かった?」
ルナ「うん!また会いに来てくれるって」
クリス「楽しみだね」
ルナ「うん。私じゃなくて、ハワードに会いたいだけかもしれないけど……」
クリス(あいつら、ルナになんてもの見せてくれてるんだ……)
ルナ「クリス」
クリス「ん?」
ルナ「ありがとう。お母さんも好きだけど、クリスも大好きだよ」
クリス「ルナ……」
クリス「俺も、ルナが大好きだよ」
クリス「俺の元に来てくれて、ありがとうーー」
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ルナは誰が一番まともか、よくわかっています。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m