Sims 7 days

PC版『The Sims4』の創作Blogです。シムたちのオリジナルストーリーを展開中。※一部BL要素を含みます。

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【Sims4 BY】#23 切札

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どんな状況に陥ろうとも、エースさえいれば組織は盤石であるーー

 

 

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クリス(あれからダイビングや料理に挑戦して、暇を潰すことはできたけど……)

 

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クリス(やっぱり生活に張り合いが出ないな)

 

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クリス「はぁ……」

 

 

 

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ビクトリア「あら、ずいぶん大きなため息ね」

 

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ビクトリア「こんなに美しい景色を前にして、一体何が不満なの?」

クリス「……え?」

 

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クリス「……部長!?」

 

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ビクトリア「久しぶりね、クリス」

クリス「どうしてここに……」

 

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ビクトリア「最後の休暇を取りに来たの」

クリス「最後の休暇……?」

 

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ビクトリア「えぇ。ゴールド財閥のトップが変わるから、しばらく休みは取れなくなるわ」

 

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ビクトリア「今のうちに最後の休暇を取ろうと思った時に、あなたのことが浮かんだの」

 

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クリス「俺ですか?」

ビクトリア「えぇ。以前、作物と一緒にこの島の写真を送ってくれたでしょう?」

 

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ビクトリア「この美しい景色を、一度見てみたいと思ったのよ」

クリス「あぁ、そういうことですか……」

 

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クリス「ゴールド財閥のトップが変わるって、アレクサンダー会長は引退されるということですか?」

 

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ビクトリア「引退というより……会長の容体が、思わしくないのよ」

クリス「それじゃあ、部長は……」

 

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ビクトリア「あら、今は私『社長』なのよ」

 

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クリス「社長?……さすがです」

ビクトリア「まぁね」

 

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クリス「財閥は……会社は、今後どうなるんですか?」

 

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ビクトリア「会長職は、アレクサンダー様の御子息が継がれるようだけど……それも決定ではないわ」

 

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クリス「御子息なんていらっしゃいました?」

ビクトリア「えぇ。長男のアレクシス様と、次男のジュリアン様がいらっしゃるわ」

 

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ビクトリア「会長は、アレクシス様を後継者に推しているのだけれど……」

クリス「……けれど?」

 

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ビクトリア「失踪したっていう噂があるのよ」

 

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クリス「失踪?どうして……」

 

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ビクトリア「事情はわからないわ」

 

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ビクトリア「会長が後継者として育てられたアレクシス様は、姿が見えないのよ。かといって、ジュリアン様を後継者に指名する気配もないし……」

 

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ビクトリア「先行き真っ暗ね」

 

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クリス「そんなことになっていたなんて……」

ビクトリア「……」

 

 

 

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ビクトリア「あなたを辞めさせたこと、少し後悔しているわ」

クリス「え?」

 

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ビクトリア「あなたは私が知り得る限り、最も優秀なビジネスマンだった」

 

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ビクトリア「時代が大きく変わろうとしている今こそ、あなたのような優秀な才能が必要なのに……」

 

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ビクトリア「どうしてあなたのこと、引き留めなかったんだろう」

クリス「部長……」

 

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ビクトリア「ごめんなさいね。わざわざ弱音吐きに来たわけじゃないのに……あなたの顔を見ていたら、つい本音が出ちゃった」

クリス「……」

 

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ビクトリア「クリス。あなたが幸せそうなら、こんなこと絶対に言うつもりはなかったんだけど……」

 

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ビクトリア「よかったら、戻って来ない?」

クリス「え?」

 

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ビクトリア「もちろん、無理強いするつもりはないわ。ただ……」

 

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ビクトリア「これだけは忘れないで。San Myshunoにも、あなたの居場所はある」

クリス「……」

 

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ビクトリア「私は会社を代表して、いつでも歓迎するわ」

 

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ビクトリア「どんな時代が訪れようとも輝くことができる、絶対的なエースの存在をね」

 

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クリス「部長……」

 

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ビクトリア「さてと、そろそろ行かないと」

 

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クリス「行くって……もうこの時間に船はありませんよ」

 

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クリス「よかったら、俺の家に……」

ビクトリア「ヘリを呼んでいるから平気よ」

 

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ビクトリア「最後の休暇とはいえ、ゆっくりしている暇はないの」

 

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ビクトリア「あなたの顔を見ることができて良かったわ」

 

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ビクトリア「またね、クリス」

 

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クリス「……」

 

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クリス「部長……」



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なにかとお騒がせなゴールド家。

 

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