別々の道を歩んでも、何度でも立ち戻るーー
↓第1話はこちら
クリス「大学に戻る?」
ライアン「そうです。リタが客員教授として招かれたんで、俺たちは大学都市に引っ越すことにしました」
クリス「大学から招かれるなんて、すごいな……」
ライアン「Sulaniは自然の宝庫なのに、研究する学者自体はまだ少ないんです。大学はSulaniをよく知るリタから、色々学びたいんでしょうね」
クリス「お前はどうするんだ?」
ライアン「俺にも、この島を出る理由があります」
ライアン「大学のような学びの場で、Sulaniの自然がいかに貴重なものか訴えて、保護を呼びかけたいんですよ」
ライアン「その傍ら、企業のお偉いさんやセレブに接触して、少しでも多くの助成金を集めるつもりです」
クリス「なるほどな……」
ライアン「結局、互いにここを離れることになりましたね」
クリス「そうだな」
ライアン「先輩は……」
ライアン「この島に来て、良かったと思いますか?」
クリス「もちろん」
クリス「作物を作って、子供を育てて、家を建てて……」
クリス「ビジネスマンだったら絶対にできないことを、たくさん体験できた」
ライアン「……それは良かった」
ライアン「正直、先輩をこの島に呼んでしまったこと、少し後悔していたんです」
クリス「後悔?どうして?」
ライアン「ビジネスマンを続けていれば、今頃大出世していたのに……俺が余計なことを言ったばかりに、キャリアを棒に振ってしまったんじゃないか……って」
クリス「ライアン……」
クリス「お前には、感謝しかないよ」
クリス「あのままビジネスマンを続けていれば、どの道いつか自滅していた」
ライアン「……」
クリス「ここに来ると決めたのは、俺なんだ。お前が後悔するようなことは何一つない」
クリス「ライアン、目を覚まさせてくれてありがとうな」
ライアン「大学時代のように……とはいかなかったけど、俺ももう一度先輩と過ごせて楽しかったです」
クリス「お互いに別の場所で頑張って、いつか引退したその時には……」
クリス「またあの家で暮らさないか?」
ライアン「良いですね。約束ですよ?」
クリス「あぁ、約束だーー」
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Epilogueでは、あの人たちが登場します。
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