人生のターニングポイントには、必ず味方になってくれる人がいるーー
ハワード「はい、これで健康診断は終了です」
ハワード「検査結果が出るまではなんとも言えませんが……私が見た限りでは、健康そのものですよ」
クリス「ありがとうございます」
クリス「ずっと聞きたかったんですけど……先生はどうしてこの島に来たんですか?」
ハワード「……都会の権力闘争に疲れてしまったんです」
ハワード「出世よりも患者さんのために働きたいと考えていた矢先に、Sulaniへの転勤の話を見つけて、飛びついたというわけです」
クリス「そうですか……」
クリス「俺はビジネスマンだったけど……大手企業で働いていたので、気持ちはわかります」
ハワード「そういえば、 あなたもSan Myshunoにいたとか?」
クリス「えぇ、境遇が似ていますね」
ハワード「そうですね」
ハワード「この島での生活はどうですか?」
クリス「俺は引っ越してきて、まだ1年しか経っていないけど……。
この島に来てよかったと思っています」
1年前ーー
社員「辞める!?お前、正気か?」
社員「クリス、お前は営業成績も常にトップで、上層部からも気に入られているんだぞ?」
社員「同期の中でも一番の出世頭だっていうのに、全て台無しにするつもりか!?」
部長「何の騒ぎなの?」
社員「部長!クリスが会社を辞めると……」
部長「聞いているわ」
部長「クリス、あなたの退職を認めます。荷物をまとめなさい」
社員「部長、まさか本気でクリスを辞めさせるつもりではないですよね?」
部長「……無理やり繋ぎ止めても、会社への忠誠心が憎しみに変わるだけよ」
部長「クリスは我が社一の優秀なビジネスマン。自分が何をしようとしているのか、その意味をよく理解しているはず。それでも辞めるというのなら、認めざるを得ないわ」
クリス「部長……」
部長「縁があれば、きっとまたどこかで再会できるでしょう」
部長「クリス、自分の人生を生きなさいーー」
クリス「大切な恩人に迷惑をかけてしまったけど……」
クリス「お陰で、自分の人生を生きられるようになりました」
ハワード「その恩人さんも、本望でしょうね」
クリス「先生……」
クリス「そうだ、来たついでにシャワー借りても良いですか?」
ハワード「……あなた、案外図太いですね」
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一流のビジネスマンには、多少の図々しさが必要。
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