本当に大切な人は、いつまでも心に在り続けるーー
コンコン
リタ「はい」
クリス「久しぶりだね、リタ」
リタ「まぁ、クリス!久しぶりね。どうぞ入って」
リタ「先生がこの島に来てからというもの、全然来てくれないから寂しかったのよ。
今日はどうしたの?」
クリス「ようやく美味しい作物を作れるようになったから、お裾分けに来たんだ」
リタ「……約束を覚えていてくれたのね」
クリス「少しだけど、よかったら食べて」
リタ「ありがとう」
クリス「……って、なんて顔してるんだ。お前は」
ライアン「別に……」
クリス「ライアンお前、最近はリタの家に入り浸りで全然帰って来ないな」
ライアン「先輩だって、先生の家に入り浸りのクセに……」
クリス「俺は最低でも一日一回は帰ってるよ」
リタ「はぁ……。
ライアンが海洋生物学者を目指し出したお陰で、職場でも家でもずっと一緒よ」
リタ「どうせなら職場でこき使ってやろうと思っていたのに、生物学の学位を持っているから、私なんてあっさり抜いて上司になりやがったの」
リタ「死ねば良いのに」
クリス(リタのストレス値がマックス……!!)
クリス「ライアン、帰るぞ。お前に手伝って欲しいことがあるんだ」
ライアン「……手伝って欲しいこと?」
ライアン「先輩、こんなに収穫してどうするんすか?」
クリス「お世話になった恩人に送るんだよ」
ライアン「恩人?ビクトリア・スカーレットって……会社の人っすか?」
クリス「あぁ。……忘れられない人がいるんだ」
ライアン「好きな人ですか?」
クリス「馬鹿だよな」
クリス「勝手に姿を消したのは俺だし、もう二度と会えないのに……」
クリス「どうしても、忘れられないんだ」
ライアン「先輩、恋してたんすね……」
クリス「恋というよりは、憧れかな」
クリス「安心しろよ。リタは良い子だけど、俺は手を出したりしないからさ」
ライアン「……」
ライアン「本当に縁のある人なら、またどこかで会えるんじゃないっすか?」
クリス「あの人も、同じことを言っていたよ」
クリス「そうだな、またどこかで会えたら良いなーー」
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全て裏目に出る後輩。
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