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ジュリアン「用って何?」
ジュリアン「俺は暇な三流作家と違って忙しいんだ。気軽に呼び出さないでくれる?」
エイベル「お前にまで三流呼ばわりされる筋合いはねぇよ」
エイベル「今日は取り引きがしたくてお前を呼んだんだ」
ジュリアン「……取り引き?」
エイベル「単刀直入に言う。俺を『ヴァンパイア』に変えてくれ」
ジュリアン「……何言ってるの?」
セドリック「……」
ジュリアン「そんなの無理に決まってるでしょう?」
エイベル「できるはずだ」
エイベル「ジュリアン、お前が本物のヴァンパイアならな」
ジュリアン「……」
ジュリアン「どうして俺がヴァンパイアだと思うの?」
エイベル「この間、セドリックにヴァンパイアだって言ってただろう?お前自身の言葉だ」
ジュリアン「立ち聞きしてたわけ?趣味が悪いね」
エイベル「俺のテリトリーで余計なことを喋るお前が悪い」
ジュリアン「……」
ジュリアン「あんたをヴァンパイアに変えるなんてこと、俺の一存じゃできない」
ジュリアン「ゴールド家の血筋にヴァンパイアの血を入れたなんてバレたら、兄さんに殺される」
エイベル「あ?」
エイベル「俺をヴァンパイアに変えるにも、お兄ちゃんの許可が必要だっていうのか?」
エイベル「お前、絶対ブラコンだろ?」
ジュリアン「どうしてリックもケヴィンもジェシーも、みんな俺の顔見る度にブラコンだって言うの?」
セドリック「……その御三方以外にも、ジュリアン様を知っている人はみんなブラコンだと思ってますよ」
ジュリアン「何それ?」
セドリック「自覚なかったんですか?」
ジュリアン「……」
エイベル「考えてもみろ、ジュリアン。俺をヴァンパイアに変えれば、子供なんて残す必要はない」
エイベル「お前の大好きなお兄ちゃんに最も近い血を残せるんだ。永遠に」
ジュリアン「……」
エイベル「俺には家族も友達もいない。俺が永遠の命を手に入れたとしても、誰にもバレはしないし迷惑もかからない」
エイベル「お兄ちゃんには黙っていれば良い。俺が人間であろうとヴァンパイアであろうと、誰かが報告でもしない限りバレる心配はないんだ」
ジュリアン「『報告しなければ』って前提の話でしょう?」
エイベル「……」
ジュリアン「……」
セドリック「口止めしようと思っているなら無駄ですよ」
セドリック「ゴールド家の当主である旦那様に、隠し事などできません」
ジュリアン「リックは兄さんに隠し事ばかりしてるけど、そのお陰でゴールド家の安全は守られてる」
ジュリアン「何もかも報告すれば良いってものじゃないでしょう?」
セドリック「しかし……」
ジュリアン「俺だって隠し事はしたくないけど……兄さんやゴールド家を守るためなら仕方ないよね」
セドリック「まさか、本気でエイベル様をヴァンパイアに変えるつもりですか?」
ジュリアン「まだ決定じゃないよ。でも、悪い提案でもない」
ジュリアン「少し考えさせて」
エイベル「わかった」
セドリック「ジュリアン様」
ジュリアン「兄さんに報告したければして良いよ。でも……」
ジュリアン「ジェームズが尊敬するリックならどうするかな?」
セドリック「……」
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