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ジュリアン「オーウェン・シルバーと接触したんだって?」
ジュリアン「兄さんが褒めてたよ。大した忠誠心だって」
エイベル「忠誠心だと?俺はアレクシスの下についたつもりはない」
ジュリアン「『貧乏作家じゃ食えないだろうから、金銭的援助をしてやっても良い』とも言ってた」
エイベル(……完全に下に見られているな)
エイベル「完成したリストは送っておいた。確認してくれ」
ジュリアン「さすがだね。作家としての才能は三流でも、諜報員としての才能は一流だ」
エイベル「一言多いんだよ」
エイベル「それに、今回は俺の才能の有無は関係ない」
ジュリアン「……どういう意味?」
エイベル「簡単過ぎる」
ジュリアン「え?」
エイベル「ずっと反対勢力の情報を集めていたが、核心的な人物には辿り着けなかった。だが、ゴールド財閥が本格的に自然保護に力を入れると動き出した途端、敵の正体が見えた」
エイベル「敵がアレクシスの動向に合わせて、わざと情報を開示したとしか思えない」
ジュリアン「……なるほどね」
ジュリアン「ありがとう。兄さんに伝えておくよ」
セドリック「旦那様は……ゴールド家は、大丈夫でしょうか?」
エイベル「さぁな。俺の仕事はここまでだ。後はあいつらがどうにかするだろう」
エイベル「大丈夫。俺の従兄弟なら、上手くやるさ」
セドリック「……」
エイベル「セドリック。お前、ジュリアンの護衛担当だったんだな」
セドリック「はい。数年前まで、ジュリアン様の護衛を担当していました」
エイベル「それじゃあ、オーウェンの話は本当なのか?」
セドリック「……」
セドリック「ジュリアン様は、元々素直で優しい方です。しかし、自分勝手な大人達のせいで道を外れてしまうことがあった」
セドリック「ジュリアン様に子供がいるという話は、エイベル様もご存知でしょう?」
エイベル「あぁ」
セドリック「ゴールド家の護衛係の役割は、要人の『護衛』と『監視』です」
セドリック「ジュリアン様の側にいながら、その行動を追うことも制御することもできなかった。私はその責任を取ったまでです」
エイベル「ジュリアンを恨んではいないのか?」
セドリック「私は、幼少の頃からジュリアン様を見守ってきました」
セドリック「ゴールド家に仕える者の中には、その存在を疎ましく思う者も少なくありませんでしたが……」
セドリック「私にとってジュリアン様は、特別な思い入れのある存在です」
エイベル「……憎しみよりも可愛さの方が勝ってるってことか。あんなのでも」
セドリック「エイベル様もまた、私にとって特別な存在ですよ」
エイベル「俺が……?」
セドリック「長年独身を貫いていたアレクサンダー様を側で支えてきたのは、あなたのお母様であるアメリア様です」
セドリック「アメリア様は、ゴールド家に仕える私たちにとって母親のような存在でした」
エイベル「……そうなのか?」
セドリック「アメリア様の息子であるエイベル様もまた、私たちにとって特別な存在です」
セドリック「エイベル様は家族はいないと仰っていましたが、ゴールド家にはあなたの幸せを願う人間がたくさんいるんですよ」
エイベル「……ゴールド家には、主従を超えた特別な絆が存在するようだな」
セドリック「えぇ」
セドリック「エイベル様もまた、その一員です」
エイベル「……」
エイベル「まぁ、悪くないな」
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