↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2のまとめは、こちら。
ハンナ「先生!」
ハンナ「エイベル先生!」
ハンナ「三流オカルト作家の……」
エイベル「やかましい」
ハンナ「あぁ、今日は普通に仕事されてたんですね」
エイベル「原稿、できてるぞ」
ハンナ「当たり前です。締切を3日もオーバーしてるんですから」
ハンナ「今日できていなかったら、さすがに怒りますよ」
エイベル(いつも怒ってるじゃねーか……)
ハンナ「やればできるくせに、どうしていつも締切を破るんですか?」
エイベル「俺は熟考を重ねて執筆してるんだよ」
エイベル「お前みたいな単細胞と一緒にするな」
ハンナ「ほう……」
ハンナ「原稿さえ戴ければ先生に用はないです。幽霊が出ると怖いので、失礼します」
エイベル「お前、幽霊が怖くてよくオカルト誌の編集担当なんてできるな」
ハンナ「私だって、こんなマイナー根暗雑誌の編集なんてしたくありませんよ」
ハンナ「就職できたのが、華やかなファッション誌なんて発行していない弱小出版社だったから、仕方なく仕事してるだけです」
エイベル「そんなことだろうと思った」
エイベル「嫌々だろうと、仕事は仕事だ。真面目にやれよ」
ハンナ「締切守らない先生にだけは言われたくないです」
ハンナ「それじゃあ、私はこれで……」
来訪者「失礼します」
来訪者「こちらはエイベル・グラナート様のお屋敷で間違いないでしょうか?」
エイベル「……お前は?」
来訪者「本日付でこちらに派遣されました。執事のセドリック・ウォルナットと申します」
エイベル(……執事?)
ハンナ「まぁ!なんてイケメ……じゃなくて、素敵な執事さん」
ハンナ「先生、メイドじゃなくて執事を雇うことにしたんですか?珍しく良い仕事しますね」
エイベル「……」
エイベル「俺が希望したのは、可愛いメイドだ。イカつい執事なんて希望していない」
セドリック「申し訳ありません」
セドリック「確かにエイベル様のご希望はメイドでしたが、当社の規則で男性のみの世帯に女性のメイドを派遣することは禁止されております」
エイベル「それで、お前が代わりに派遣されて来たと」
セドリック「もちろん、メイドと同じ料金でお仕えさせていただきます」
ハンナ「良いじゃないですか!確か執事ってメイドより階級が上でしょう?」
ハンナ「同じ料金で執事を雇えるならお得ですよ。イケメンだし!」
エイベル「……」
エイベル「可愛いメイドさんが来ると思って楽しみにていたんだけどな。まぁ、良い」
エイベル「基本的にこの家の中は自由に歩き回って構わない。だが、1階にある俺の部屋にだけは入るな」
エイベル「いいな?」
セドリック「かしこまりました」
ハンナ「先生、部屋にやましいものでも隠してるんですか?」
エイベル「かもな」
ハンナ「うわぁ……」
エイベル「家の中は、後で案内する。とりあえず下にある荷物の荷解きを頼む」
セドリック「かしこまりました」
ハンナ「あ、下までは私がご案内しますね」
セドリック「お願いします」
エイベル(随分ガタイの良い男だな……)
エイベル(まぁ……本当に“執事”だったらの話だけどな)
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m