↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2のまとめは、こちら。
エイベル「お前、また来たのか?」
エイベル「俺の他にも担当している作家がいるんだろう?そいつの家にも行けよ」
ハンナ「行ってますよ。月一の締め切りには」
エイベル(他の作家の家にイケメンはいないようだな……)
エイベル「なぁ、ハンナ」
ハンナ「何ですか?」
エイベル「あの執事、どこか胡散臭いと思わないか?」
ハンナ「誰よりも胡散臭い先生が、それを言います?」
ハンナ「セドリックさんは完璧じゃないですか。何が不満なんですか?」
エイベル(その完璧さが、胡散臭いんだよな……)
エイベル「セドリック」
セドリック「お呼びですか?」
エイベル「今日の仕事は終わっただろう?一杯付き合え」
セドリック「しかし……」
エイベル「執事の業界には、主と酒を飲んではいけないってルールでもあるのか?」
セドリック「……いえ」
エイベル「お前は確か、新しくできた使用人の派遣会社から来ていたな」
セドリック「はい」
セドリック「会社自体設立から日は浅いですが、経験が豊かな執事が多く在籍しています」
エイベル「そうだろうな。会社の大元は、ゴールド財閥だろう?」
セドリック「……なぜそれを?」
エイベル「大々的に公表されてはいないが、ゴールド財閥がバックについていることは調べればわかる」
セドリック「……」
エイベル「ということは、お前はゴールド家で執事としての教育を受けたのか」
セドリック「はい。執事として一人前になるためには、一定期間の研修を受ける必要があります」
セドリック「ゴールド家の執事長が一人前だと認めない限り、執事を名乗ることは許されません」
エイベル「なるほど。確かゴールド家に仕える使用人は、身分の高い貴族ばかりだと聞くが……」
エイベル「お前も名家の出身なのか?」
セドリック「いいえ」
セドリック「ゴールド家にお仕えする使用人には、その昔貴族と呼ばれた家系の者が多いです」
セドリック「しかし、私のように他家に派遣される執事は皆庶民です」
セドリック「ご期待に添えず申し訳ありません」
エイベル「いや、俺としては都合が良い。貴族だの名家だの、堅苦しいのは嫌いだからな」
セドリック「……」
エイベル「ところで、執事には『眼鏡をかけなければならない』って決まりでもあるのか?」
セドリック「どういう意味ですか?」
エイベル「ずっと気になっていたんだ。どうしてお前は、度の入っていない眼鏡をかけているんだろう……って」
セドリック「……」
エイベル「度の入っていない眼鏡をかけるなんて、よほどファッションにこだわりがある人間か、もしくは……」
エイベル「顔を覚えられたくない人間だけだ」
セドリック「これは……」
エイベル「なんてな」
エイベル「俺はもう休む。片付けは任せたぞ」
セドリック「かしこまりました」
セドリック「……」
セドリック(俺の正体がバレるのも、時間の問題か……)
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m