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エイベル「セドリック」
エイベル「出版社に行って来る。留守は任せるぞ」
セドリック「お戻りになるのは、何時頃でしょうか?」
エイベル「そうだな……夕食には間に合うように帰る」
セドリック「かしこまりました」
セドリック「……」
セドリック「ここか……」
セドリック「諜報活動に携わっていることは間違いないな……」
エイベル「そろそろ……か」
セドリック「エイベル様?」
セドリック「いつお戻りに……」
エイベル「目当てのものは見つかったか?」
エイベル「俺の部屋には立ち入るなと言っておいたはずだ」
セドリック「……」
エイベル「執事よりも泥棒に転職した方が良いんじゃないか?」
エイベル「なぜ俺のことを調べている?セドリック。いや……」
エイベル「ジェームズ・ラセット」
エイベル「予定外のことばかりだな。可愛いメイドを期待していたのに、派遣されて来たのは執事で、そいつの正体は執事ですらないなんて」
エイベル「お前がゴールド家の護衛係だってことはとっくにバレてんだよ」
セドリック「……」
セドリック「知らない方が幸せなこともある」
エイベル「何だと?」
セドリック「あなたは出自について何もかも知りたいと考えているようですが、知ることが幸せにつながるとは限らない」
エイベル「お前……やっぱり何か知っているんだな」
セドリック「今なら、まだ引き返せる」
エイベル「え?」
セドリック「お互い、何も知らなかったことにするんです」
セドリック「このまま事を荒立てなければ、あなたは今まで通りの生活が保障されます」
セドリック「表の世界でオカルト作家でいながら、裏の世界では諜報員の仕事もできる。これまで通りです」
エイベル「このままお前を見過ごせと?」
セドリック「私は、あなたを陥れるためにここに来たわけじゃない。むしろ護るために来たんです」
エイベル「お前の言葉なんか信用できるか。知ってしまった以上、見過ごすことなんてできない」
エイベル「悪いが事を荒立てさせてもらう。お前をこの家に寄越した奴を呼べ」
セドリック「……本当に良いんですね?」
エイベル「そう言っているだろう」
セドリック「わかりました。少し時間をください」
エイベル「いいだろう。あぁ、逃げようなんて思うなよ」
エイベル「俺はオカルト作家としては三流かもしれないが、諜報員としてはそれなりの腕を持っている」
エイベル「お前がどこに逃げようと、必ず見つけ出してやるからな」
セドリック「……」
セドリック「……すみません。リックさん」
セドリック「バレました」
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