↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2のまとめは、こちら。
エイベル「少し考えさせてくれ」
ジュリアン「考える?何言ってるの」
ジュリアン「選択肢なんてあってないようなものでしょう?さっさとゴールド家につくって言えば良いのに」
エイベル(全然選ばせる気ないじゃねえか……)
ジュリアン「まぁ、いいや。次に俺がここに来るまでに決めておいて」
ジュリアン「ジェームズには監視を続けさせる。これは決定事項だから」
エイベル「……わかった」
エイベル(頭の中を整理したくて、時間稼ぎに返答を引き伸ばしたが……)
エイベル(あのジュリアンって男の言う通り、俺にはゴールド家につく以外の選択肢はないよな)
エイベル(しかし血縁とはいえ、そもそもゴールド家の人間だって誰一人信用できない)
エイベル(諜報員としての腕を欲しがっていると言っていたが、一体何をさせるつもりだ?)
セドリック「……」
エイベル「セドリック」
セドリック「はい」
エイベル「あのジュリアンって男は何者だ?あいつもゴールド家の人間なのか?」
セドリック「ジュリアン様は、ゴールド家の血筋ではありません。しかし……」
セドリック「誰よりもゴールド家のことを、旦那様のことを考えている御方です」
エイベル「……まるで謎かけだな」
セドリック「エイベル様」
セドリック「大きな決断を迫られて混乱しているとは思いますが、ゴールド家を敵に回すことだけは考えないでください」
エイベル「……」
セドリック「ゴールド家では今、反対勢力に対抗するために、あなたが想像するよりもずっと多くの組織と人が動いています」
セドリック「その中には、いわゆるグレーゾーンに属する者もいる」
エイベル「アレクシスも父親と同じ道を辿ってるってことか」
セドリック「いいえ。裏で指示を出しているのは、旦那様ではなくジュリアン様です」
エイベル「……あいつが?」
セドリック「あなた一人を消すことなど造作もないし、場合によってはグラナート家ごと消すことだってできます」
セドリック「この上なく不名誉な形で」
エイベル「……結局、脅しかよ」
セドリック「エイベル様を味方に引き込み、守るよう命じたのは旦那様です」
セドリック「あなたがゴールド家につくとわかれば、ジュリアン様も手出しはできません。しかし……」
セドリック「反対勢力につくとなれば、そこから先はジュリアン様の管轄です」
エイベル「表ではアレクシスがクリーンに振る舞い、裏ではジュリアンが暗躍しているってことか」
セドリック「ジュリアン様の動きを、旦那様がどこまで把握しているかはわかりません」
セドリック「ジュリアン様は基本的に旦那様に忠実ですが、あなたが旦那様の敵に回るとわかれば、どんな手を使ってでもあなたを消そうとするでしょう」
セドリック「おそらく、旦那様もジュリアン様を止めることはできません」
エイベル「あのジュリアンって男は、ゴールド家の中でも相当強い権力を握っているようだな」
セドリック「これ以上詳しいことはお話しできませんが、忠告だけはしました。後はご自身で判断してください」
エイベル「……なぁ、最後に一つだけ聞かせてくれ」
セドリック「何でしょう?」
エイベル「お前たち護衛係にとって、アレクシスは仕えるだけの価値がある男なのか?」
セドリック「……」
セドリック「その価値がなければ、俺たちは命を懸けて護ることなどできません」
エイベル「……なるほどな」
エイベル「答えとしては十分だ」
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m