長年の友人が、全く知らない人に見えた瞬間ーー
セシル「……」
ケヴィン『俺は、今後誰とも付き合う気はないよ』
あれ以来、何をしていてもあいつの言葉が頭から離れない……。
クロエとエマには悪いが、あの家にいるのは正直苦痛だーー
セシル「……ん?」
女性A「ねぇ、良いでしょ?たまにはジェシーの家で飲もうよ!」
ジェシー「ダメ。プライベートな付き合いはナシだって、最初に約束しただろう?」
女性A「でも……」
ジェシー「じゃあな。来週の打ち合わせの件、頼んだぞ」
女性A「あ、ジェシー!」
女性A「もう……」
女性B「だから言ったじゃない、諦めなって」
女性B「ジェシーは本命以外、眼中にないの。大物女優や人気アイドルでさえ相手にされないんだもん、芸能事務所のスタッフなんて相手にされるわけないでしょ?」
女性A「でも、自宅で飲むくらい良いじゃない……」
女性B「無理!ジェシーは自宅には本命以外入れないって、有名よ」
女性A「……そうなの?」
セシル(本命以外……?)
ジェシー「よう、どうしたんだ?連絡なしに来るなんて珍しいな」
セシル「……」
ジェシー「何してるんだ?入れよ」
セシル「……俺は入っても良いのか?」
ジェシー「何?」
セシル「お前、本命以外は自宅に入れないんだろう?」
ジェシー「そうだよ。だから入れって」
セシル「……」
セシル「お前さ、俺のこと……本気だったのか?」
ジェシー「え?」
ジェシー「………………」
ジェシー「今更!?」
ジェシー「俺が何年もずっと気持ち伝えてきたのに、お前何だと思ってたんだよ!?」
セシル「だって……お前、大学時代めちゃくちゃ遊んでたじゃねぇか!
男も女も関係なく、手当たり次第に相手してたの知ってんだぞ!!」
セシル「あの延長で、どうせ俺のこともふざけてるだけだと思って……」
ジェシー「いくらなんでも8年もふざけねぇよ!」
セシル「……」
ジェシー「……いいよ。伝わってないんだったら、伝わるまで言い続けてやる」
ジェシー「セシル、お前が好きだ。遊びで付き合ってきた連中とは違う。俺が本気で愛してるのは、お前だけだ」
セシル「ジェシー……」
ジェシー「セシル……」
セシル「待った」
ジェシー「……」
セシル「帰る」
ジェシー「……は?」
セシル「一旦、一旦帰る」
ジェシー「一旦って……次いつ来るつもりなんだよ?」
セシル「悪い、連絡する」
ジェシー「……おい!」
ジェシー「セシル……」
セシル「はぁ……はぁ……」
セシル「……」
セシル「……俺の知ってるジェシーじゃない」
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ケヴィンも鈍いけど、セシルも大概。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m