チャンスを掴むも逃すも、自分次第ーー
セシル「全寮制の進学校?」
クロエ&エマ「そう」
ケヴィン「今日、学校の先生から言われたんだ」
先生『クロエさんとエマさんは、成績優秀で将来有望です』
先生『さらに学力を伸ばすためにも、高校は進学校をお勧めします』
ケヴィン「まさか俺の子供が、進学校を勧められるとは……」
セシル「リリィに似て良かったな。お前たち、ママに感謝しろよ」
クロエ&エマ「はーい」
ケヴィン「俺だって、美術と体育は得意だったし……」
セシル「それで?お前たちは、その全寮制進学校とやらに進みたいのか?」
エマ「うん。希望者は、大学教授の家にホームステイもできるんだって」
クロエ「大学の講義にも、無料で参加できるらしいよ」
ケヴィン「わざわざ高校生で家を離れなくても、大学の勉強は大学生になってからでも良いんじゃないか?」
クロエ「パパやセシルと離れるのは寂しいけど、将来の夢のために頑張りたいの」
セシル「将来の夢?」
クロエ「私たち、獣医になりたいの」
エマ「パパ、お願い。受験頑張るから」
ケヴィン「受験のことは心配してないよ。ただ……」
クロエ「ただ?」
ケヴィン「クロエもエマも、いつかこの家を出て行くことはわかっていたけど、まさかこんなに早いなんて……」
セシル「寂しい気持ちもわかるけど、子離れしろよ」
セシル「それから稼がないとな。2人分の学費」
ケヴィン「進学校と獣医学部に通うとなると……2人でいくらかかるんだ?」
セシル「プール付きの戸建て、2軒分くらいじゃないか?」
ケヴィン「……」
クロエ「大丈夫。私たち特待生目指してるから」
エマ「学費免除になるよう、勉強頑張るよ」
ケヴィン「……パパも頑張って絵を売るよ」
セシル「獣医になりたいって、知ってたか?」
ケヴィン「以前から口には出していたけど……こんなに真剣だとは思ってなかった」
セシル「学費、大丈夫か?俺が支援しても……」
ケヴィン「大丈夫。今度、個人展を開催することになったんだ」
ケヴィン「パトロンを捕まえることができれば、学費も支払えると思う」
セシル「そうか……」
ケヴィン「お前ももう、立派な画家だな」
ケヴィン「……ありがとうな」
ケヴィン「セシルがいなければ、今頃どうなっていたかわからない」
ケヴィン「リリアンも、セシルに感謝しているはずだ」
セシル「気にするな。親友だろう?」
ケヴィン「あぁ……」
ケヴィン(親友……だよな?)
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双子の幼少期に、セシルが一生懸命教育した結果です。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m