幸せを掴むためには、タイミングも重要であるーー
助手「先生、個展が盛況で良かったですね」
ケヴィン「あぁ、ありがとう。サマンサ」
サマンサ「そういえば、先生の絵を気に入られた方が……」
ケヴィン「ごめん、詳しい話は明日聞くから」
サマンサ「先生?」
ケヴィン「じゃあ、お疲れ様!」
サマンサ「先生……」
ケヴィン(あれから5日ーー)
ケヴィン(毎日同じ場所で待っているけど、セシルの姿はない)
ケヴィン「確か、この辺りだったよな……」
ケヴィン(ここにいたのは、偶然だったのか……?)
ケヴィン「セシル……!」
セシル「……え?」
ケヴィン「セシル、やっと見つけた」
セシル「ケヴィン……どうしてこんなところに?」
ケヴィン「会いたくて、ずっと探していたんだ」
セシル「……」
セシル「お前と話すことなんて、何もない」
ケヴィン「待てよ、セシル」
ケヴィン「なぁ、セシル……セシル!」
ケヴィン「………………」
ケヴィン「アレクシス・セシル・ホワイト=ゴールド」
ケヴィン「逃げるなよ」
セシル「……」
セシル「その名前で呼ばれるのは、久しぶりだな」
ケヴィン「セシル、悪かった。お前ともっと向き合うべきだったのに……俺は頼るばかりで、お前のこと全然考えてなかった」
ケヴィン「セシル、お前のことが好きだ。愛してるーー」
ケヴィン「お前にはもう、パートナーがいることは知っているけど、どうしてもこれだけは伝えたかったんだ」
セシル「ケヴィン……」
セシル(あぁ……どうして『今』なんだ)
ケヴィン「……セシル?」
セシル「ジェシーと婚約した」
ケヴィン「……」
セシル「お前がリリアンを裏切れなかったように、俺もジェシーは裏切れない」
セシル「さようなら、ケヴィン」
ケヴィン「セシル……」
セシル「……ただいま」
ジェシー「おかえり。遅かったな」
ジェシー「どうした?元気ないな」
セシル「別に」
セシル「シャワー、浴びて良いか?」
ジェシー「あぁ……」
ジェシー「……」
ジェシー「………………またか」
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『セシル』は、アレクシスのミドルネーム。
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