誰もが皆、人には言えない想いを抱えて生きているーー
ケヴィン「じゃあ、行って来るけど……本当に大丈夫か？」
セシル「大丈夫だって言ってるだろ。半年もあれば、子育てなんて嫌でも慣れる。
そんなことより、初出勤でヘマすんじゃねぇぞ」
ケヴィン「……」
ケヴィン「尖った物は？」
セシル「触らせない」
ケヴィン「落ちている物は？」
セシル「口に入れさせない」
ケヴィン「プールには？」
セシル「近付かせな……」
セシル「待てよ、これは引っかけだ。
正解は『そもそも家の外には出させない』だ」
ケヴィン「よし、合格」
クロエ「セシル、抱っこ」
エマ「セシル、絵本」
セシル「はいはい」
ケヴィン「二人共、セシルのいうことをちゃんと聞くんだぞ」
ケヴィン「じゃ、行って来ます」
セシル「いってらっしゃい」
エマ「セシル！絵本、絵本」
セシル「わかった、わかった」
セシル「またこの本か？本当に好きだな」
エマ「うさちゃんとうさちゃんママ！」
クロエ「……」
クロエ「セシルは、ママを知ってる？」
セシル「ママって……リリアンのことか？」
クロエ「うん。ママはどんな人？」
セシル「リリアンは……天然ボケでお節介な女。料理だけは上手かったな」
クロエ「てんねんぼけ？」
セシル「それから……」
エマ「それから？」
セシル「それから……」
セシル「お前たちのパパを世界で一番愛していた」
エマ「ママとパパは仲良し？」
セシル「そうだな」
エマ「仲良しだって」
クロエ「仲良し！」
セシル（あいつに対する想いは、誰にも負けていないと思っていたけど……。
結局、あいつが選んだのはリリアンだったな）
セシル（まぁ、そもそも俺は伝えもしていないけど……）
セシル（俺の気持ちを知ったら、あいつはどんな顔をするんだろうな）
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×双子の成長記録 ○セシルの成長記録
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