幸せは大きいほど、失うことが怖くなるーー
↓第1話はこちら
ケヴィン「忘れ物はないか?向こうに着いたらちゃんと連絡するんだぞ?」
クロエ「もう、パパ。大丈夫だって」
エマ「本当に心配症なんだから」
ケヴィン「父親が娘の心配するのは、当然だろう?」
エマ「はいはい」
エマ「どうせ冬休みには帰って来るんだから、そんなに寂しそうな顔しないでよ」
ケヴィン 「でも……」
セシル「いい加減、行かせてやれよ。クロエもエマも困ってるだろう?」
ケヴィン「お前、案外冷たいな。クロエとエマのことは、我が子同然に可愛がってくれていると思ってたのに……」
セシル「あぁ?俺が冷たいだと?」
セシル「この家空けてる間も毎日連絡取り合っていたし、クロエとエマがSan Myshunoに来た時には、ちゃんと飯食べさせてホテルにだって送ってやったのに……」
ケヴィン「ちょっと待った、セシル」
ケヴィン「今、なんて言った?」
セシル「だから……」
ケヴィン「俺からの連絡なんて、10回に1回返してくれれば良い方なのに……って、そうじゃない」
ケヴィン「『San Myshunoに行った』だと?俺はそんな話、聞いていないぞ」
セシル「え?クロエもエマも、パパの許可はもらってるって……」
クロエ&エマ『あー……』
エマ「いけない、もうこんな時間!」
クロエ「早く行かないと、ホームステイ先に心配かけちゃう!」
ケヴィン「待て、お前たち……」
クロエ「じゃあね、パパ!」
エマ「またね!セシル、テディ」
ケヴィン「クロエ!エマ!!」
パタン
ケヴィン「あいつら……」
ケヴィン『お前たち、どこまで知っているんだ?』
クロエ&エマ『全部』
ケヴィン「そういうことだったのか……」
セシル「俺は悪くないからな」
ケヴィン「……」
ケヴィン「まったく……」
ケヴィン「手のかかる子供たちだけど、いなくなると寂しいものだな」
セシル「子育てもようやくひと段落か」
ケヴィン「あぁ」
ケヴィン「これからは、セシルのために時間を使える」
セシル「……俺は、クロエやエマと同じレベルかよ」
ケヴィン「ある意味、クロエやエマより手がかかるけどな」
ケヴィン「夕飯、何が良い?」
セシル「サーモンの香草焼き」
ケヴィン「お前、本当そればっかりだな」
セシル「良いだろう?好きなんだよ」
セシル「テディも好きだって」
ケヴィン「はいはい」
パタン
セシル「平和だな……」
セシル「こうも平和な時間が続くと、時々無性に不安になる。俺の知らないところでは、何か悪いことが起こっているんじゃないか……って」
セシル「お前もそう思わないか?なぁ……」
セシル「ワイアット」
ワイアット「不安を感じるのも辛いですが、大切な主人に『悪いこと』を伝えるのは、もっと辛いものです」
ワイアット「お久しぶりです。アレクシス様」
セシル「………………」
▶︎Season2 に続く……。
----------------------------------------
セシルにとっては、新たな闘いのスタート。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m