一つの悩みが解決しても、新たな悩みに直面することがある。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ケヴィン「リックとマリアの赤ちゃん、可愛いな」
ケヴィン「名前は何にしたんだ?」
セシル「『エリカ』だそうだ」
セシル「リックに似てもマリアに似ても、どの道気の強い女の子に育つだろうな」
ケヴィン「楽しみだ」
ケヴィン「俺も早く子供が欲しいな……」
セシル「……」
ケヴィン「どうした?」
セシル「……お前、正気か?」
セシル「ようやくクロエとエマが育て上がろうかって時に、また一からあの大変な子育てを始める気なのか?」
ケヴィン「大変だけど楽しかっただろう?」
セシル「やっぱりお前、正気じゃないな」
ケヴィン「どの道ゴールド家には、後継者が必要だろう?」
ケヴィン「ジュリアンにだって、早く子供を作れって急かされてる」
セシル「……」
セシル「俺は子供を持つ気はない」
ケヴィン「え?」
ケヴィン「……ゴールド家はどうするつもりだ?」
セシル「当面はジュリアンを後継者に立てて、時期を見て養子を取る」
ケヴィン「どうして……」
セシル「俺は自分の子供に、ゴールド家の当主なんて重荷を背負わせる気はない」
セシル「幸い反ゴールド同盟に属さない、友好的な親戚もいる。その中から、この家を継いでも良いという者を後継者にするつもりだ」
ケヴィン「……最初から子供は作らないって決めていたのか?」
セシル「そうだ」
セシル「お前には、もう二人も子供がいるだろう?可愛いだけならテディで十分だ。これ以上欲張るな」
ケヴィン「欲張るって……」
ケヴィン「クロエとエマは、リリアンとの間に生まれた子だ。俺は、セシルとの子供にも会いたい」
セシル「だから……」
ケヴィン「お前は、自分の子供を見てみたいと思わないのか?」
セシル「……」
セシル「思わないな」
ケヴィン「セシル」
セシル「この話は、終わりだ」
ケヴィン「セシル……」
ビクトリア「どうしよう……」
ビクトリア「明日は大丈夫かしら?」
クリス「ビクトリアさん、落ち着いてください」
クリス「本当に子供が苦手なんですね。ルナに会うのが嫌なら、無理にとは……」
ビクトリア「いいえ、違うの。クリス」
ビクトリア「確かに子供は苦手だけど……もうすぐ高校生でしょう?大丈夫、許容範囲だわ」
クリス「それなら……」
ビクトリア「私が恐れているのは、ルナちゃんに嫌われることよ」
クリス「嫌われる?」
ビクトリア「私って性格キツいでしょう?ルナちゃんに嫌われないか心配なのよ」
クリス「ビクトリアさん……」
クリス「大丈夫ですよ。ルナには恋人を紹介しておきたいというのもありますけど、働く女性としてアドバイスして欲しいんです」
ビクトリア「アドバイス?」
クリス「えぇ。将来は海洋生物学者になって仕事に生きたいそうです」
ビクトリア「もう今からそんな決意をしているの?達観しているわね」
クリス「きっとビクトリアさんとは、気が合うと思いますよ」
ビクトリア「そう……少し気持ちが落ち着いてきたわ」
クリス(会長にも真っ向から反対意見を言える人が、まさか中学生の女の子にここまで動揺するとは……)
ルナ「クリス!」
クリス「ルナ」
クリス「久しぶりだな」
ルナ「うん、会いたかった」
クリス「ビクトリアさん、娘のルナです」
ビクトリア「初めまして。ビクトリア・スカーレットよ」
ルナ「初めまして、ルナ・ブルーです」
クリス「一人で来たのか?」
ルナ「ううん。クロエとエマが連れて来てくれたの」
ルナ「邪魔したら悪いから、買い物してから合流するって言ってたよ」
クリス「そうか」
ビクトリア「ルナちゃんは、San Myshunoに来るのは初めて?」
ルナ「はい」
ルナ「クリスが働いている街を見てみたかったから、来ることができて嬉しいです」
ビクトリア「クリスの仕事に興味があるなら、オフィスに来てみる?」
クリス「良いんですか?」
ビクトリア「えぇ。この時間なら、社内を案内できそうよ」
ビクトリア「会長もいないからゆっくりできるわ」
クリス「……なによりです」
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エリカのゴッドファーザーは、ワイアットです。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m