どんなに距離を置いても、兄弟の血は隠せないーー
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ライアン「ただいま」
リタ「お帰りなさい」
ライアン「エイデン、良い子にしてたか?」
エイデン「うん」
ライアン「クロエとエマは?今日帰って来る予定じゃなかった?」
リタ「それが、さっき電話があって……『パパが寂しそうだから、もう少し一緒にいる』ですって。帰って来るのは、来週になるみたい」
ライアン「そうか。お父さん想いなんだな」
リタ「優しい子たちね」
ライアン「クロエとエマがいないなら、明日は久しぶりに3人でゆっくりしようか。大学の近くで、バーベキューができる広場を見つけたんだ」
リタ「あら、良いわね」
リタ「私もまだこの街をよく見ていないから、お散歩しましょう」
ライアン「エイデン、バーベキューするか?」
エイデン「する!」
ライアン「よし。それじゃあ今日は、早めにお休みしような」
エイデン「うん」
リタ「Sulaniを離れることに抵抗があったけど、暮らしやすい街で良かったわ」
ライアン「でも、そろそろ海が恋しいんじゃないか?」
リタ「そうね。久しく海に入っていないから、干からびそうよ」
リタ「クリスやハワードは、元気にしているかしら?」
ライアン「あぁ。そういえばこの間、先生から電話があって……」
男子大学生「あれは、まさか……」
男子大学生「兄貴!」
ライアン「え?」
男子大学生「あんた、ライアン・イエローだろう?」
ライアン「……もしかして、ディランか?」
ライアン「大きくなったな、全然わからなかった」
ディラン「十年以上も行方をくらましておいて、なに呑気なこと言ってんだよ?」
リタ「ライアン、この子は?」
ライアン「弟のディラン」
リタ「初めまして、ディラン。私はリタ」
ディラン「初めまして」
ディラン「まさか、兄貴結婚したのか?」
ライアン「あぁ、息子もいる。エイデンっていうんだ」
ディラン「信じらんねぇ……結婚して子供までいたなんて。なんで俺たち家族に報告しないんだよ?」
リタ「ライアン、あなた本当に実家に連絡してなかったのね」
ライアン「忘れてた」
ディラン「ふざけんな!兄貴がいなくなったせいで、次男の俺が繰り上げで長男になったんだぞ」
ディラン「おかげで、行きたくもない大学にも行かされて……このままだと家まで継がされそうだ」
リタ「……兄弟に繰り上げ制度なんてあるの?」
ライアン「イエロー家には、あるみたいだな」
ライアン「ディラン、悪かった。実家には近々連絡するから」
ディラン「本当だろうな?」
ライアン「連絡できたらする。多分、きっと……すると思う」
ディラン「連絡する気ないだろう」
ライアン「行きたくもない大学って……お前、今どこに通っているんだ?」
ディラン「Britechester大学」
リタ「あら、優秀なのね」
ライアン「学部は?」
ディラン「生物学部」
ライアン「お前も生物学部にしたのか」
リタ「どうして生物学部を選んだの?」
ディラン「カエルの解剖が得意だから」
リタ「間違いなくライアンの弟ね」
ライアン「学生寮にいるんだろう?俺たちもこの街に住んでいるんだ。よかったら、今度遊びに来いよ」
ディラン「あぁ、お邪魔するよ」
ディラン「ちゃんと実家に連絡するまで、見張っておきたいからな」
リタ「あなた身内からも信用ないのね」
リタ「まぁ、こんな形で再会できたのも何かの縁でしょう。私も可愛い義弟に会えて嬉しいわ。いつでも遊びにいらっしゃい」
ディラン「ありがとう」
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真冬にバーベキューをする、謎の一家。
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