思い込みや決め付けは、障害でしかない。
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↓Season 2のまとめは、こちら。
ジュリアン「久しぶりだね」
マリア「どうしてずっと本家に顔を出してくださらなかったのですか?ジュリアン様に会えなくて、寂しかったんですよ」
ジュリアン「マリアがつわりで荒れてるって聞いて……」
マリア「え?」
ジュリアン「あー……ほら、俺って無神経なこと言ったりするでしょう?マリアのストレスになったら悪いと思ったんだ」
マリア「ジュリアン様……私を気遣ってくださったんですね」
ジュリアン「そう、そういうこと。他意はないから」
リック(ジュリアン様、成長しましたね……)
セシル「よくジュリアンとの結婚を決意したな」
ローズ「色々迷ったけど、結婚がベストだって思えたの。アレクシスさんやケヴィンさんのお陰かな」
ケヴィン「俺たち?」
ローズ「そう。お試し生活をしてみたお陰で、ジュリアンとなら家族になれるって自信が持てたから」
ローズ「アレクシスさんとケヴィンさんのサポートがなかったら、結婚なんて考えられなかったもん」
ケヴィン「良い結果に結びついたようで良かった」
セシル「結婚式はどうするんだ?」
ローズ「色々考えていたんだけど、今は無理かな」
ケヴィン「仕事が忙しいのか?」
ローズ「それもあるけど……今はお姉ちゃんの子供を産むことが第一優先なの」
ケヴィン「……お姉ちゃんの子供?」
セシル「どういうことだ?」
ローズ「代理母になるの」
セシル「代理母?」
ローズ「そう。まだ確定ではないんだけど、今準備を進めているところ」
セシル「事情はわからないが……よくジュリアンが許したな」
ローズ「私の選択を尊重するって。万が一私に何かあったら、ジュリアンがカイルを守るって約束してくれた」
ローズ「まぁ……Sulaniで聞いたから、暑さで朦朧としていて記憶にないかもしれないけど」
セシル「騙し討ちじゃねぇか」
ケヴィン「そうか、代理母……代理出産か」
セシル「……」
セシル(嫌な流れだな……)
ケヴィン「セシル」
セシル「ダメだ」
ケヴィン「……まだ何も言っていないだろう?」
セシル「お前の考えなんてわかってるんだよ。代理出産だろうとなんだろうと、子供を持つ気はない」
ケヴィン「どうしてそこまで子供を嫌がるんだ?代理出産なら、お前に負担をかけずに子供を持てる」
セシル「だから出産方法以前に、俺は子供を望んでいないと言っているんだ」
ローズ「どうして?アレクシスさん、クロエちゃんやエマちゃんのこと娘だって自慢してたじゃない」
ローズ「カイルのことだって可愛がってくれたし、子供自体は嫌いじゃないでしょう?」
セシル「子供が好きか否かの問題じゃない、ゴールド家の血を引くことが問題なんだ」
ローズ「ゴールド家の血?」
セシル「俺に子供ができれば、当然跡継ぎだと期待される。俺は自分の子供に、ゴールド家の当主なんて重荷を背負わせたくはないんだ」
ローズ「……」
ローズ「どうしてアレクシスさんが決めちゃうの?」
セシル「何?」
ローズ「だから、どうして子供の意見を聞かずに、勝手に決めちゃうの?」
セシル「……どういう意味だ?」
ローズ「もしかしたら、アレクシスさんの子供はゴールド家に生まれて良かったって思うかも」
ローズ「『世界一の大富豪の家に生まれるなんてラッキー!僕も将来はパパみたいな立派な当主になるんだ』って思うかもしれない」
セシル「俺の子供がそんなに能天気なわけがないだろう」
ローズ「わからないよ。親の想像を超えてくるのが子供だもん」
ローズ「私だって、カイルが『ファッション界のメディア王』なんて訳の分からないものを目指すなんて思っていなかった。それでも、カイルが望んでいることなら、全力で応援したいと思ってる」
ローズ「本当に子供のことを思うなら、選択肢を与えてあげるべきだと思う」
セシル「選択肢?」
ローズ「子供が跡を継いでも継がなくても良いように、両方の道筋を示してあげるの」
ローズ「選択肢があるのなら、子供に一方的に重荷を背負わせることにはならない」
ローズ「あとはアレクシスさん自身が、自分の子供を欲しいか否かの選択をするだけだよ」
セシル「……」
ケヴィン「セシル、お前この家がなくなっても良いように、ワイアットやリックに会社を作らせたんだよな?財閥はビクトリアをはじめとした上層部がいれば回るとも言っていた」
ケヴィン「だったら、俺たちの子供に選択肢を与えられるんじゃないか?」
セシル「……簡単な話じゃない」
ケヴィン「でも、不可能じゃない」
セシル「……」
セシル「少し考えさせてくれ」
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ジュリアンは、ジェシーから『言い訳』を教わりました。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m