血の繋がりよりも、濃い絆。
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マリオン「ありがとう。それで良いわ」
マリオン「えぇ、あとは全部あんたに任せる。頼りにしてるわよ」
マリオン「じゃあね。お疲れ様」
ジェシー「……」
ジェシー「店長?」
マリオン「えぇ」
マリオン「来月の周年祭には、あんたにもSan Myshunoの店に顔を出してもらうわよ」
ジェシー「……どうしても行かないとダメか?」
マリオン「オーナーだもの。当然でしょう?」
マリオン「嫌なの?」
ジェシー「周年祭が嫌だってわけじゃないけど……」
マリオン「店長に会いたくない?」
ジェシー「まぁな……」
マリオン「どうして?良い子じゃない。真面目で頭も切れるし、愛想だって良い」
マリオン「なにより、とてもイケメンだわ」
ジェシー(……顔で採用したのか?)
ジェシー「俺が嫌ってるんじゃなくて、あいつが俺を嫌ってるんだよ」
マリオン「そんなことないわよ。あんたにもにこやかに接してくれてるじゃない」
ジェシー「マリオンの前でだけだ。俺が客だった頃とオーナーになってからでは、態度が180度違う」
ジェシー「どうせ、ただの常連でしかなかった男にある日突然オーナー面されるようになって、面白くないんだろう」
マリオン「ジェシー……」
マリオン「ジュリアンが成長を見せる一方で、あんたは子供に逆戻りね」
マリオン「せっかくボスが『ジェシーに預けたことで、ジュリアンは良い方向にも悪い方向にも変わった』って喜んでいたのに、今のあんたを見たらガッカリするわね」
ジェシー「それ本当に喜んでるのか?」
マリオン「『ジェシーを選んで正解だった』って、感謝してたわよ」
ジェシー「セシルが?」
ジェシー「……そうか」
ジェシー「ジュリアンの奴、最初は口のきき方も知らなくて扱いに困ったけど……成長したよな」
マリオン「えぇ。カイルの面倒をよく見ているし、ローズの妊娠もしっかりサポートできてる」
ジェシー「ローズもジュリアンも子供だと思っていたのに、今では俺たちよりよほどしっかりしてるな」
マリオン「そうね」
ジェシー「……なぁ」
ジェシー「店の経営も安定していることだし、俺たちも次のステージに進まないか?」
マリオン「結婚のこと?」
ジェシー「結婚も良いけど、もっと先に進みたい」
マリオン「もう老後の心配?」
ジェシー「そうじゃなくて」
ジェシー「想像してみろよ。小さいのが加わったら、この家はもっと賑やかになると思わないか?」
マリオン「あんた犬でも飼いたいの?」
ジェシー「違う、子供だよ」
マリオン「……私に産めって?」
ジェシー「いや」
ジェシー「無理に産まなくても、親を必要としている子供はたくさんいる」
マリオン「養子を迎えるってこと?」
ジェシー「そう」
ジェシー「俺たちは知っているだろう?血は繋がってなくても家族になれるし、血が繋がっていても家族になれないこともある」
マリオン「……そうね」
ジェシー「ゴールド家のような資産はなくとも、俺たちにも子供を育てるくらいの余裕はある。だったら、家族に恵まれない子供の役に立ちたいんだ」
マリオン「ジェシー……素晴らしい考えだわ」
マリオン「でも、私たちに子育てなんてできるかしら?」
ジェシー「大丈夫。この家には、子育ての先輩がいるからな」
ジェシー「カイルもこのまま大人に囲まれて育ったら、子供らしさを失いそうだし……ローズやジュリアンも賛成してくれるはずだ」
ジェシー「ローズの体調が落ち着いたら、養護施設に行ってみよう。とりあえず養子縁組の条件を調べておくよ」
マリオン「良いわね。私も周年祭が終わったら、協力するわ」
マリオン「……」
マリオン「さっきはあんたに少しがっかりしたけど、惚れ直したわ」
ジェシー「良い男だろう?あの店長より」
マリオン「……」
マリオン(私たち、本当に親になれるのかしら?)
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シムの世界では、男性も出産できますが……この話の中で男性が出産することはなさそうです。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m