生まれる家は決まっていても、将来を決めるのは自分自身。
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ケヴィン「なぁ、セシル」
ケヴィン「アルとアリシアは、将来画家になるかな?それとも作曲家?」
セシル「どうして選択肢が二つだけなんだ?」
ケヴィン「俺とセシルの子なんだから、画家か作曲家のどちらかだと思って」
セシル「画家とシェフの娘であるクロエとエマが選んだ職業は、『獣医』だぞ」
ケヴィン「あぁ、そうか」
セシル「俺としては、この子達の将来よりもお前の仕事の方が心配だ」
ケヴィン「俺?」
セシル「マリアとイヴから聞いているぞ。最近はアルとアリシアに付きっきりで、全く絵を描いていないそうだな」
ケヴィン「あー……大丈夫。個展には間に合わせるから」
セシル「手は抜くなよ」
セシル「画家としての評判が下がるのはお前の勝手だか、この子達の父親が『落ちぶれた画家』じゃ困るんだよ」
ケヴィン「……気をつけます」
ケヴィン「手を抜いているわけじゃないんだけど……この子達の成長を見逃したくないんだ」
ケヴィン「クロエとエマが幼い頃は、生活に必死で成長を楽しむ余裕なんてなかったからな。今回は、側でしっかり見ていたいんだよ」
セシル「ケヴィン……」
ケヴィン「アルは活発だし、アリシアは人懐っこい。それぞれ個性が出てきて、見ていて楽しいんだ」
セシル「……」
セシル「アルはお前に似ているな。怖いもの知らずで、どこにでも平気で遊びに行こうとする」
ケヴィン「アリシアは、セシルに似てる。一人でも平気な顔してるけど、実は甘えん坊で人懐っこい」
セシル「……お前の中で、俺のイメージはどうなってるんだ」
ケヴィン「アルは俺に似ているけど、瞳だけはセシルに似たな」
ケヴィン「二人とも、セシルと同じ瞳の色をしてる」
セシル「……」
セシル「だろうな」
ケヴィン「『だろうな』って……こうなることが分かっていたような口ぶりだな」
セシル「昔、親父が言っていた」
セシル「ゴールド家の血を引く人間は、この瞳の色を持って生まれて来ると」
ケヴィン「え?」
セシル「もしもゴールド家の人間を名乗る者に出会ったら、まずは瞳の色を見るよう教わった」
ケヴィン「……」
ケヴィン「なんというか……『呪い』の一種みたいだな」
セシル「呪いなんだろう」
セシル「命を狙われるほど恨みを買っている家だからな。呪いをかけられていてもおかしくはない」
ケヴィン「不吉なことを言うなよ。アルとアリシアに何かあったらどうするんだ」
セシル「その何かが起きないように、高い金払って護衛係を雇ってるんだ。それに……」
セシル「今更、瞳の色など気にしても仕方がない」
セシル「この家に生まれたこと自体が、呪いみたいなものだからな」
ケヴィン「セシル……」
ケヴィン(『呪い』なんて、まさかな……)
リック「ケヴィン様」
リック「今後のアルフレッド様とアリシア様の外出についてですが……」
ケヴィン「なぁ、リック」
リック「何です?」
ケヴィン「護衛係は『呪い』からも護ってくれるのか?」
リック「……は?」
リック「えーっと……オカルトの話なら、護衛係よりもジュリアン様の方が適任かと」
ケヴィン「ジュリアンか……」
リック「……」
リック「ケヴィン様、少し休まれた方が良いのでは?」
ウィル「ミアが妊娠?」
バイオレット「えぇ、おめでたいわね。これからこの家がますます賑やかになるわ」
ウィル「そうだね」
ウィル「それで、ミアは今どこに?」
バイオレット「海よ」
ウィル「海って……実家かな?」
バイオレット「そうね。海の家族や友達に報告するんですって」
バイオレット「ハワードは、クリスとライアンに電話で報告してるわ」
バイオレット「ねぇ、ウィル」
ウィル「何?」
バイオレット「ミアは、私たちが知っている方法で妊娠したのかしら?」
ウィル「どういう意味?」
バイオレット「だから、その……」
バイオレット「ハワードの実験というか、外科手術的な別の方法じゃ……」
ウィル「………………」
バイオレット「………………」
ウィル「考えないことにしよう」
バイオレット「そうね」
ウィル「さぁ、レイラ。お外に行こう」
ウィル「ローズおばさんが寂しがってるから、たくさん写真を撮って送ってあげようね」
バイオレット「早く送らないと、Sulaniまで会いに来るわよ」
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定期的に写真を送らないと、電話でしつこく催促されます。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m