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PC版『The Sims4』の創作Blogです。シムたちのオリジナルストーリーを展開中。※一部BL要素を含みます。

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【Sims4】#137 レッド家の伝承【Season 2】

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許すことはできなくても、理解はできる。

 

 Season 1のまとめは、こちら。 

 Season 2のまとめは、こちら。 

 

 

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ジュリアン「……というわけで」

 

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ジュリアン「『ヴァンパイアが人間になる方法』を探しているんだけど、知らない?」

「………………」

 

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ジュリアン「……あれ?もしかして死んじゃった?」

「………………」

 

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ジュリアン「死んだのなら、地下をコンクリートで埋め立ててこのまま墓に……」

レイチェル「生きてるわよっ!!」

 

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ジュリアン「なんだ、残念」

レイチェル「残念じゃないわよ!まったく……」

 

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レイチェル「実の母親にこんなに酷い仕打ちをして、都合の良い時にだけ利用しようなんて……どれだけ図々しいのよ」

 

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ジュリアン「悪かったね。俺の性格は母親譲りだから」

レイチェル「……」

 

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レイチェル「人間になりたいだなんて、馬鹿げた話ね。せっかくヴァンパイアという素晴らしい生き物に生まれたのに、どうして無能な人間になりたがるのよ?」

 

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ジュリアン「俺が人間になることを望んでいるわけじゃない」

レイチェル「じゃあ、誰が望んでいるのよ?」

 

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ジュリアン「誰だって良いでしょう。それより、人間になる方法を知ってるの?」

レイチェル「さぁね、どうかしら。私が素直に教えるとでも?」

 

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ジュリアン「あのさ、なにか勘違いしてない?」

 

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ジュリアン「あんたの生殺与奪は、俺が握ってるんだよ?俺の機嫌を損ねないほうが良いと思うけど」

レイチェル「……」

 

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レイチェル「なによ、人間になる方法を教えたらここから出してくれるの?」

ジュリアン「考える」

 

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ジュリアン「それで、人間になる方法は?」

レイチェル「……良いわ」

 

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レイチェル「主寝室のガーゴイルの後ろに、ヴァンパイアが人間になる方法を記した本が隠してある」

 

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レイチェル「特別な能力はいらないわ。必要な材料さえ揃えることができれば、すぐにでも人間に戻れる」

 

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ジュリアン「それ本当?」

レイチェル「えぇ。でも、簡単な方法ではないわよ」

 

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ジュリアン「試してみる価値はある」

 

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レイチェル「……ずいぶん熱心ね。何事にも無関心なあんたが、一体どうしちゃったの?」

ジュリアン「俺にも色々と事情があるんだよ」

 

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レイチェル「あ、そう。まぁいいわ。そんなことより、早くここから出してちょうだい」

ジュリアン「は?」

 

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レイチェル「方法を教えたら、ここから出すって約束でしょう?」

ジュリアン「『考える』とは言ったけど、出すなんて約束はしてないよ」

 

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ジュリアン「ここから出たら絶対に俺を殺すでしょう?そんな相手、簡単に解放すると思う?」

レイチェル「殺したりしないわよ!」

 

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レイチェル「あんたがした仕打ちには腹が立つけど、仮にも実の母親なのよ?息子を手にかけたりするもんですか」

 

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ジュリアン「なにそれ。今更血のつながりをアピールして、同情してもらおうって魂胆?」

 

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レイチェル「……ゴールド家の人間から何を吹き込まれたのか知らないけど、私はあんたを手放したりしていないわ」

ジュリアン「え?」

 

 

 

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レイチェル「私は母親として、自分の手で子供を育てたかった。それなのに、ゴールド家の執事やメイド連中にあんたを取り上げられたのよ」

 

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ジュリアン「俺のこと育てる気があったの?」

 

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レイチェル「お腹を痛めて産んだ子だもの、私にだって愛情くらい湧くわよ」

 

 

 

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レイチェル「育てることは叶わなかったけど、代わりにあんたにはヴァンパイアとしての生き方を教えてあげたでしょう?」

ジュリアン「……」

 

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ジュリアン「俺のこと、邪魔者扱いした挙句、利用しようとしたクセに……」

 

 

 

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レイチェル「命懸けで産んだのは私なのに、あんたが懐いたのはゴールド家の連中よ。そりゃあ、腹も立つわよ」

 

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レイチェル「でも……そうね」

 

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レイチェル「こんな醜い感情を息子に向けたのは、間違いだった」

 

 

 

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レイチェル「手放した挙句に悪事に利用するなんて、とんだ母親よね」

ジュリアン「……」

 

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レイチェル「もっと早く気付くべきだった。怒りをぶつける相手はジュリアンではなくて、あのマリアって女よ」

 

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レイチェル「私から息子を取り上げておいて、『母親としての責任を果たしていない』なんて……よく言うわ」

ジュリアン「あのさ……」

 

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ジュリアン「もしかして、マリアを目の敵にしていたのは……嫉妬?」

レイチェル「……………………」

 

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レイチェル「うるさいわね!どうせあんたには、親の気持ちなんて理解できないわよ」

 

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ジュリアン「理解できるよ」

レイチェル「……え?」

 

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ジュリアン「そういえば、あの男はどうしてる?」

レイチェル「あの男?」

 

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ジュリアン「『キース・パープル』だよ。行方が掴めないからリックが警戒してる」

 

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レイチェル「知らないわ。ゴールド家を追い出されて、すぐにあいつとも別れたから」

ジュリアン「どこに行ったか検討はつかない?」

 

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レイチェル「そうね……確か『新しいパートナーを探す』って言っていたわ」

ジュリアン「パートナー?」

 

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レイチェル「ゴールド家から持ち出した財産はほとんどあいつに持ち逃げされたから、それを元手にまた悪巧みするつもりよ」

 

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レイチェル「よくSan Myshunoに出入りしていたから、ツテでもあるんでしょう」

 

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ジュリアン「San Myshuno……?」

 

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レイチェル「ねぇ、ジュリアン。もう良いでしょう?」

 

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レイチェル「私を許してとは言わない。今後ゴールド家にも近づかないと約束する。だから、ここから出してちょうだい」

 

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レイチェル「こんな窮屈な棺に閉じ込められて、いい加減気が狂いそうよ」

ジュリアン「……そうだね」

 

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ジュリアン「人間に戻る方法が本物だと証明されたら、そこから出してあげても良いかも」

 

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レイチェル「『かも』ってなによ?約束しなさいよ!」

ジュリアン「案外元気そうで安心したよ。もう少しこの状態でも耐えられそうだね」

 

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レイチェル「ちょっと、冗談でしょう?ねぇ、ジュリアン!」

ジュリアン「まぁ、気が向いたらまた来るよ」

 

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レイチェル「ジュリアン!!」

 

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ジュリアン「またね。母さん」

 

 

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知らない間に孫ができていたレイチェル。

 

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