子供が子供だと思っているのは、大人だけ。
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↓Season 2のまとめは、こちら。
クロエ「アルフレッド、アリシア」
クロエ&エマ「お誕生日おめでとう!」
ケヴィン「お姉ちゃんたちがお祝いしてくれて良かったな」
クロエ「可愛い弟と妹の初めてのお誕生日だよ。きちんとお祝いしないとね」
エマ「それにしても、すごい数のプレゼント」
ケヴィン「俺とセシルの友達や仕事関係者、使用人のみんなもプレゼントをくれたからな」
クロエ「何をもらったの?」
ケヴィン「ワイアットとイヴからは、絵本のセット」
ケヴィン「Windenburgとゴールド家の歴史が学べるらしい」
クロエ「もう英才教育が始まってるんだ……」
ケヴィン「マリアからは食器セットで、リックからはぬいぐるみ」
エマ「ぬいぐるみ?可愛いプレゼントだね。意外」
ケヴィン「ちなみに、どこにいても分かるGPS機能付き」
エマ「あぁ……納得」
ケヴィン「クリスとビクトリアからは知育玩具、ジュリアンとローズからはベビー服、ジェシーとマリオンからは、子供用の楽器セットだな」
クロエ「パパとジェシーさんって、今ではすっかり仲良しだよね」
ケヴィン「別に仲良しってわけじゃ……子育てという共通点ができたから、交流してるだけだよ」
クロエ「セシルが『ケヴィンは、俺よりジェシーの方が好きなんじゃないか?』って嫉妬してたよ」
ケヴィン「………………」
ケヴィン「クロエとエマは、何を持って来てくれたんだ?」
クロエ「私たちのプレゼントは、歴史や家柄なんて小難しい話は出てこない楽しい絵本と」
エマ「GPS機能は付いていない、ごく普通の可愛いぬいぐるみ」
ケヴィン「1歳児に相応しいプレゼントで安心した」
ケヴィン「大学はどうだ?勉強は順調か?」
クロエ「パパ、当たり前でしょう?私たちなら奨学金だって狙えるレベルだよ」
ケヴィン「……奨学金狙ってくれても構わないけど」
エマ「奨学金は、学費が払えない人たちのためにある制度だよ」
エマ「私たちが選ばれたら申し訳ないよ」
ケヴィン「そういうことは、自分で学費を払ってから言ってくれ」
クロエ「安心して。パパに学費を払ってもらって終わりじゃない」
クロエ「大学卒業後の就職先は決まったから、これから少しずつパパに返済していくよ」
ケヴィン「え?……もう就職先が決まったのか?」
クロエ「動物保護のボランティアで、Brindleton Bayにある有名な動物病院の先生に出会ったの。私たちのことをとても気に入ってくれて、先生の元で働かせてくれるって」
エマ「大学を卒業したら、Brindleton Bayに引っ越して来るつもり」
ケヴィン「この街に?」
クロエ「エマとアパートを借りて、一人前の獣医になるまでは先生の元で勉強させてもらうの」
ケヴィン「ちょっと待て。Brindleton Bayで働くなら、この家で暮らせば良い。セシルだって賛成するはずだ」
エマ「ダメだよ。パパとセシルには、大学まで面倒見てもらったんだもん。卒業後まで甘えたら、いつまでも独り立ちできないよ」
ケヴィン「でも……」
エマ「パパ」
エマ「私たちは、散々パパとセシルを独り占めして来た。もうアルとアリシアに譲らないとね」
ケヴィン「お前たち……」
クロエ「寂しそうな顔しないで。これからは、今まで以上にこの家に顔を出せる」
エマ「テディにも会えるし、アルとアリシアのお世話だって任せて。ライアンとエイデンに鍛えられたから、私たちの子育てスキルはレベル10だよ」
ケヴィン「ライアンって……確か、ホームステイ先のお父さんだよな?」
エマ「息子のエイデンより手がかかる人なの」
ケヴィン(……どんな父親なんだ?)
クロエ「そういえば、先日ライアンがこの家に来たでしょう?」
ケヴィン「そうみたいだな」
エマ「パパ、会わなかったの?」
ケヴィン「セシルから『プライベートで遊びに来るわけじゃない。仕事の話だからお前は首を突っ込むな』って言われた」
ケヴィン「仕事でSan Myshunoに行ってたから、どの道会えなかったけど」
エマ「そっか、残念」
ケヴィン「話し合いは上手く行ったようだから、そのうち会える機会があるだろう。それより……」
ケヴィン「クロエもエマも、ついこの間まで子供だと思っていたのに立派に成長したな」
ケヴィン「正直、大学を卒業したらすぐにでも結婚すると思ってた」
クロエ「あー……その辺は、セシルに似て堅実だから」
ケヴィン「どういう意味だ?」
エマ「ディランと約束したの。社会人として一人前になってから結婚しようって」
クロエ「私が大学を卒業しても、レナードはまだ大学に残ってるし、卒業後にはお父さんの会社を継ぐことになる」
クロエ「結婚して家庭を持つなら、生活が安定してからが良いって意見で一致したの」
ケヴィン「大人の意見だな」
ケヴィン「きっと、ママも天国でお前たちを誇りに思ってるよ」
クロエ「……そうかな?」
エマ「そうだと良いな」
エマ「さぁ、お姉ちゃんたちとプレゼント開けようか」
クロエ「他にはどんなプレゼントがあるかな?」
ケヴィン「……」
ケヴィン(なぁ、セシル)
ケヴィン(親に守ってもらわなくても、子供は案外たくましく生きていけそうだぞ)
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クロエとエマが贈ったぬいぐるみにも、GPS機能が付けられます。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m