信頼関係を築くには、十分な時間が必要であるーー
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ケヴィン「引っ越し?」
セシル「あぁ。仕事の都合上、San Myshunoに行く機会が増えたが、Windenburgの管理もあるからな……」
セシル「最低限の使用人と護衛係だけを連れて、中間地点に引っ越すことにした。一緒に住むなら、Brindleton Bayの第7邸に来てもらうことになる」
ケヴィン「第7邸って……体は一つしかないのに、いくつ家を持ってるんだよ」
セシル「俺が建てたわけじゃない。文句があるなら、ゴールド家の先祖どもに言え」
ケヴィン「そんな恐れ多いことができるか」
セシル「Brindleton Bayは自然が豊かな街だから、絵を描くにも最適だ。広い庭は、テディも喜ぶだろう」
ケヴィン「わかった。引っ越しの準備ができたら、テディを連れて行くよ」
ケヴィン「今の家は、どうすれば良い?」
セシル「あの家は今後も管理を続けて、残しておくつもりだ」
ケヴィン「……管理を続けるなんて、大変だろう?いっそ手放したらどうだ?」
セシル「あの家は、クロエとエマの思い出の詰まった家だ。それに、リリアンの公園も近い」
セシル「ゆくゆくはクロエとエマに譲るから、それまでは好きに使ってくれ」
ケヴィン「……良いのか?」
セシル「あぁ。俺がリリィやお前の娘たちにしてやれるのは、こんなことくらいだしな」
ケヴィン「……」
ケヴィン「ありがとう、セシル」
執事「旦那様、クリス・ブルー様が到着されました」
セシル「あぁ、ここに通してくれ」
執事「かしこまりました」
ケヴィン「誰だ?」
セシル「俺の専属秘書だ」
クリス「失礼します」
セシル「クリス、せっかく来てもらったのに悪いが、早速引っ越しだ」
クリス「え?引っ越しですか?」
セシル「あぁ。お前には、Windenburgを紹介しておきたかったんだ。ワイアットという執事がいるから、案内してもらえ」
クリス「……承知しました」
セシル「エドワード、ワイアットにクリスを案内させてくれ。それから….…」
クリス「……」
ケヴィン「初めまして。俺はケヴィン・グリーン」
クリス「初めまして」
クリス「会長の秘書を務めます、クリス・ブルーです」
クリス「……確か、葬儀にいらしていましたよね?」
クリス「失礼ですが、会長とはどういったご関係ですか?」
ケヴィン「え?あぁ……」
ケヴィン「セシルとは幼なじみで、今はパートナーだ」
クリス「パートナー?」
クリス「恋人、ということですか?」
ケヴィン「そうだな」
ケヴィン「男が相手で驚いた?」
クリス「あ、いえ……性別ではなくて……」
クリス「あの会長に恋人がいることに驚きました。人間らしいところもあるんですね」
ケヴィン(セシルお前、クリスに何をした……?)
クリス「ケヴィン様も……」
ケヴィン「ケヴィンで良いよ。俺はゴールド家の人間じゃないし、完全に一般庶民だから」
クリス「ケヴィンさんも、一緒に引っ越されるんですよね?」
ケヴィン「あぁ。もしかしてクリスも?」
クリス「はい。今後は、会長と一緒に行動することになります」
ケヴィン「そうか……」
ケヴィン「セシルは、口は悪いけど根は良い奴だから。よろしくな」
クリス「……はい」
セシル「待たせたな」
セシル「そういえば、クリス。お前、Britechester大学の経済学部出身らしいな?」
クリス「はい。132期生です」
セシル「そうか、俺もBritechester大学の経済学部出身だ」
ケヴィン「セシルって経済学部だったのか?音楽学部だと思ってた」
セシル「お前は俺に興味ないもんな」
クリス(本当に恋人なのか?この人……)
セシル「俺は135期生だから、クリスは『先輩』ということになるな」
クリス「……そうですね」
執事「旦那様、ご案内の準備が整いました」
セシル「ほら先輩、さっさと行って来い。モタモタしてるとクビにするぞ」
クリス「……」
クリス(どうして俺は、『後輩』に恵まれないんだ……)
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音楽学部だったのは、ジェシーです。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m