目に見えている世界が、全てだとは限らない。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ハワード『子供の頃から、ずっと警察官になることを夢見ていたでしょう?』
バイオレット「……」
ルナ「バイオレット」
バイオレット「……ルナ、何?」
ルナ「大丈夫?次は『オハナリ・タウン』に行こうと思うんだけど……具合が悪いなら帰ろうか?」
バイオレット「いえ、大丈夫。少し考えごとしていただけだから」
バイオレット「ごめんね。行きましょう」
ルナ「ここが『オハナリ・ビーチ』だよ」
ルナ「あの白い建物が、ハワードの診療所」
ルナ「すぐ近くには、『サンド・バー』っていうバーもあるの。この島で一番賑やかなスポットだよ」
ウィル「確かに、他の場所より建物も人も多いね」
ルナ「島の人は、夜になるとこのビーチやバーに集まるの」
ルナ「バーは、本当は子供が入っちゃいけないんだけど……時々クリスが、夕飯を食べに連れて来てくれたんだ」
バイオレット「思い出の場所なのね」
ルナ「……うん」
ウィル「レストランはないの?」
ルナ「レストラン?」
ルナ「食事がしたい時には、屋台に行くんだよ。買う時には、値引き交渉を忘れないでね」
ウィル「そうか。ルナは賢いね」
ルナ「案内できるところは、これで全部かな」
ウィル「ありがとう。ルナ」
バイオレット「島の人たちにも会えて、とても楽しかったわ」
ルナ「良かった」
ウィル「良いね。都会に比べれば、物も人も少ないけど……必要な物は全部揃っている」
バイオレット「シンプルで暮らしやすいわ」
ウィル「都会の暮らしに疲れた俺たちには、ちょうど良い場所だ」
バイオレット「そうね……」
ウィル「ルナ、せっかくだから、バーで夕飯を食べて行こうか。大人が一緒なら問題ないよね?」
ルナ「うん!ありがとう、ウィル」
ルナ「ウィルやバイオレットは、泳げる?」
ウィル「一応、泳げるけど……プールでしか泳いだことないな」
バイオレット「私も」
ルナ「そうなの?Sulaniに来たら、海で泳がないと」
バイオレット「ルナは、泳ぎが得意なの?」
ルナ「もちろん!この島の人は、みんな泳げるよ」
ルナ「だって、私たちは『人魚』の子孫だもん」
ウィル「……人魚?」
ルナ「そう。私のお母さんも、人魚だよ」
バイオレット「……どういうこと?」
ウィル「確か、ルナのお母さんは海で生活しているって聞いたけど……」
ルナ「そうだよ。海の中で生活しているの」
ウィル「……」
バイオレット「……」
バイオレット「『海で生活してる』って、漁師とか学者とか、海に関する仕事をしているっていう意味じゃなかったの?」
ウィル「俺も、そういう意味だと思っていたんだけど……」
バイオレット「ルナも、その……人魚なの?」
ルナ「たぶんね」
ルナ「まだ人魚の兆候は現れていないけど、その可能性は捨て切れないから毎日観察する必要がある……って、ハワードが言ってたよ」
バイオレット「それで、毎日身体測定しているの?」
ルナ「うん」
バイオレット「……」
バイオレット「やっぱりあの人、おかしいんじゃない?」
ウィル「先輩のために否定しておきたいところだけど……自信がなくなってきたな」
ルナ「もしかして……人魚の話、疑ってる?」
バイオレット「え?そんなことは……」
ルナ「ライアンもハワードも最初は疑っていたけど、お母さんに会ったら信じてくれたよ」
ルナ「お母さんは時々お家に遊びに来るから、次に来た時に人魚の姿を見せてもらうと良いよ」
バイオレット「ルナのお母さんには、まだ会ったことがなかったわね」
ウィル「会える日が楽しみだな」
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ハワードも呼んであげて。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m