結婚は、本人だけの問題ではない。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ケヴィン「ゴールド家所有の邸宅って時点で、想像はしていたけど……」
クリス「すごい豪邸ですね」
セシル「荷物は家の者が運ぶから、お前達は好きに過ごしていて良いぞ」
ケヴィン「好きにって……全然落ち着かないんだけど」
マリア「旦那様。本日よりこの家に勤めるメイドをご紹介します」
マリア「イヴリンです」
イヴ「『イヴ』とお呼びください」
セシル「……このタイミングで新しいメイドを雇ったのか?古参はどうした?」
マリア「辞めさせられました。レイチェル様に」
セシル「……そうか」
セシル「よろしく、イヴ」
イヴ「よろしくお願いします。旦那様」
セシル「そうだ、クリス」
セシル「お前に書斎を案内しておく。仕事の話もあるから、下に来てくれ」
クリス「はい」
ケヴィン「どうだ、テディ。この家は気に入ったか?」
ワイアット「お久しぶりですね。ケヴィン様」
ケヴィン「あー……ワイアットさん、お久しぶりです」
ワイアット「ワイアットで結構ですよ。旦那様からは、丁重におもてなしするよう申し付けられておりますので」
ケヴィン「……そうですか」
ワイアット「人様の家のプールに金魚を放流したり、階段の手すりで滑って遊んだりしていた方が、ゴールド家当主のパートナーになられるとは」
ケヴィン「ちょっと待て。俺のイメージって、それで固定されているのか?」
ワイアット「まさかとは思いますが、このままアレクシス様と結婚なさるおつもりではないでしょうね?」
ケヴィン「そうするおつもりですけど……」
ワイアット「……」
ワイアット「ゴールド家に入るには、それ相応の人物になっていただく必要があります」
ケヴィン「庶民じゃダメだってことか?」
ワイアット「身分の問題ではありません。振る舞いの問題です」
ケヴィン「振る舞い?」
ワイアット「どうぞ今後は、アレクシス様の隣に立っても恥ずかしくないような振る舞いをお心がけください」
ケヴィン「……」
ケヴィン(今後は……ってことは、現段階では恥ずかしいってことか?)
リック「あーあ、とんでもない奴に目をつけられましたね」
ケヴィン「えっと……」
リック「リックです」
ケヴィン「あぁ、護衛係の」
リック「ゴールド家に入るためには、まずは執事長であるワイアットの承認を得る必要があります」
ケヴィン「でも、俺嫌われてるみたいだし……」
リック「人の家のプールに金魚放流したり、階段の手すりで滑って遊んだりするからでしょう?」
ケヴィン「あんた達、そのエピソードいつまで引きずるつもりなんだ?」
リック「俺も護衛係としてこの家に入った時には、苦労しました」
リック「ゴールド家では、例え当主が認めた人物であっても、ワイアットが認めなければやっていけません」
リック「執事やメイドは、ワイアットの命令が絶対なんです」
ケヴィン「……」
リック「もしもケヴィン様が、本気でゴールド家に入ろうと思っているなら、まずはテストに合格しないと」
ケヴィン「テスト?」
リック「ワイアットに、アレクシス様の相手として不足ないと認めさせるんです」
ケヴィン「どうすれば良いんだ?」
リック「礼儀作法や振る舞いも大切ですが、なによりもアレクシス様にとってプラスとなる人物であることが大切です」
リック「大丈夫。ジェシー・カーキにも負けなかったんだ。このままケヴィン様らしく、アレクシス様を支えてあげてください」
ケヴィン「……リックは何でも知っているんだな」
リック「これが仕事ですから」
ケヴィン「ゴールド家にふさわしい人物……か」
ケヴィン(学生時代は、よくセシルを連れ出していたっけ……)
ケヴィン(セシルを助けたい一心でやったことだけど……ゴールド家側の執事からみれば、最悪な友達だよな)
ケヴィン(現時点ですでにマイナスイメージが強いのに、どうやってプラスに転換させるんだ?)
ケヴィン「はぁ……」
ローズ「すみません」
ケヴィン「何か?」
ローズ「ここって、ゴールド家のお屋敷ですよね?」
ケヴィン「そうだよ」
ローズ「一番偉い人に会わせてください」
ケヴィン「……アポは取ってる?」
ローズ「いいえ。でも、会ってくれるはずです」
ケヴィン「君は、一体……」
ローズ「アレクシス・ゴールドさんにお伝えください」
ローズ「あなたの『息子』が来ています……と」
ケヴィン「………………え?」
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踏まれたり蹴られたりのケヴィン。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m