人の行動には、必ず理由がある。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
セシル「ヴァンパイア?」
セシル「ジュリアンが、そう言っていたのか?」
ケヴィン「あぁ。俺も最初は、何の冗談かと思ったけど……」
ケヴィン「ジュリアンの言う『ブラッドパック』をカイルに与えてみたら、みるみる顔色が良くなったんだ」
ケヴィン「血の匂いがして、俺やローズはとても口にできなかったけど……カイルは美味しそうに3パックも飲み干した」
セシル「そんな得体の知れない物を与えて、本当に大丈夫なのか?」
ケヴィン「セシル、ヴァンパイアについて何か思い当たることはないか?」
セシル「そういえば……」
セシル「親父の遺言に、レイチェルは『ヴァンパイア』だとあった」
ケヴィン「え?」
セシル「ヴァンパイアの力を利用するために、レイチェルと結婚したと」
ケヴィン「親父さんは、最初から知っていたのか……?」
セシル「親父が亡くなる間際に書かれたものだから、おかしくなったのかと思っていたけど……まさかな」
ケヴィン「……」
ケヴィン「ヴァンパイアか否かはさておき、とにかくカイルが元気になって良かった」
セシル「……そうだな」
セシル「ジュリアンとローズは、帰って来たら今後について話し合わせるつもりだ」
ケヴィン「帰って来たら……って、どこか行くのか?」
セシル「あぁ。ローズとSan Myshunoに行って来る」
ケヴィン「ローズと二人で?」
セシル「クリスや護衛も一緒だ」
セシル「詳しいことは、帰って来てから話す。ジュリアンとカイルは残して行くから、頼んだぞ」
ケヴィン「……わかった」
クリス「会長」
クリス「例の件、準備が整いました」
セシル「そうか。ローズに書斎に来るよう伝えてくれ」
クリス「承知しました」
セシル「それから……」
ケヴィン「……」
ケヴィン(あれは、何か俺に言いづらいことを隠してる顔だな……)
セシル「待たせたな」
セシル「ローズ、カイルの様子はどうだ?」
ローズ「ジュリアンのアドバイスのおかげで、調子が良くなったみたい」
セシル「そうか。ジュリアンが変なことを言って、お前を不安にさせたようだが……」
ローズ「全然平気。ヴァンパイアでも人間でも、関係ない」
ローズ「私にとって、カイルは宝物だもん。元気になってくれたならそれで良いの」
セシル「……」
ローズ「アレクシスさん、私に話って何?」
セシル「あぁ……」
セシル「お前、ジェシー・カーキという男を知っているか?」
ローズ「え?」
ローズ「もちろん。ジェシーさんは、家族みたいなものだもん」
セシル「家族?」
ローズ「うん。カイルのことも、とても可愛がってもらってる。どうしてアレクシスさんが、ジェシーさんのこと知ってるの?」
セシル「……」
セシル「確か1000万シムオリオン必要だと言っていたな。何のためだ?」
ローズ「え?それは……」
セシル「マリオン・レインボーの店を買取るための資金か?」
ローズ「うそ……マリーちゃんのことも知ってるの?」
セシル(マリーちゃん?)
セシル「悪いが、お前の身辺調査をさせてもらった」
ローズ「え?」
ローズ「……そっか。全部知ってるんだ」
ローズ「マリーちゃんは、私が大変な思いをしている時にずっと側で支えてくれた人なの」
ローズ「私にとっての宝物がカイルなら、マリーちゃんにとっての宝物はお店。そのお店を手に入れるためなら、どんなことでもする」
セシル「……良い覚悟だ」
セシル「買取の話、ゴールド財閥が協力してやっても良い」
ローズ「え!?どうして?」
セシル「オーウェン・シルバーという投資家は、うちにとっても厄介な存在なんだ。それに……」
セシル「ジェシーには、個人的な借りがある。あいつが関わっているなら、この機会に借りを返したい」
ローズ「アレクシスさん、ジェシーさんと知り合いなの?」
セシル「まぁな」
ローズ「……」
ローズ「私は何をすれば良いの?」
セシル「お前、演技力に自信はあるか?」
ローズ「もちろん。女性はみんな、生まれながらの女優だもん」
セシル「……そうか」
セシル「今回の件は、お前の演技力にかかっている。俺の言う通りに行動しろ」
ローズ「わかった」
セシル「いいか、まず……」
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ジュリアンよりも、ローズの方がセシルの兄弟っぽい。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m