長い時を経て、初めてわかることもある。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
セシル「1000万シムオリオンは、ゴールド財閥が用意する」
オーウェン「約束が違う。俺は、嬢ちゃんと取引きしているんだ」
ローズ「お金さえ手に入るなら『相手が誰であっても構わない』って言ったでしょう?契約書読んでないの?」
オーウェン「こんなもの、無効だ」
セシル「往生際が悪いぞ」
セシル「『互いの承諾の下で行われた』という証拠がある。これは誰が見ても、正式な取引きだ」
オーウェン「……全てお前の入れ知恵か」
セシル「オーウェン・シルバー。俺は寛大な男だ」
セシル「今ここで取引きに応じて大人しく引き下がるか、裁判所でゴールド財閥お抱えの一流弁護士団と争うか。好きな方を選ばせてやろう」
オーウェン「人の商売に手を出して、タダで済むと思うなよ」
セシル「あぁ、そうかよ」
セシル「クリス、契約書を確認しろ」
クリス「承知しました」
セシル「そうだ。お前に2点、伝えなければならないことがある」
オーウェン「あ?」
セシル「不当な契約に縛られた経営者は、マリオン・レインボーだけじゃないな」
マリオン「……」
セシル「お前が出資した経営者全員で集団訴訟を起こすそうだ。弁護士を雇う金もないらしいからな、うちが用意してやることにした」
オーウェン「はぁ!?ふざけるな!」
セシル「ふざけているのは、どっちだ」
セシル「お前、騙し取った金で不動産経営に手を出していただろう?経営もろくにわかっていない男が、不動産会社を3つも持っていたとは驚いた」
オーウェン「……まさか」
セシル「宝の持ち腐れだと思ってな。お前の会社は、全て買収させてもらった」
オーウェン「嘘だろ……」
セシル「投資家としてはそこそこだが、経営者としての才能はゼロだな。どの会社も買収の話を持ちかけたら、喜んで尻尾振って寄って来たぞ」
セシル「明日、正式な発表があるから覚悟しておけ」
クリス「会長、問題ありません」
セシル「よし」
セシル「金は後日渡すから、権利書を用意しておけよ。下手な小細工したら、それこそタダじゃ済まさないからな」
オーウェン「……」
オーウェン「なぜだ?どうして、こんな……」
セシル「San Myshunoは、ここに生きる人々が心血を注いで開発して来た街だ」
セシル「誰にでも平等にチャンスがあるし、誰にでもそれを手にする権利がある」
セシル「お前みたいな奴が、好き勝手して良い街じゃねぇんだよ」
セシル「これ以上痛い目に遭いたくなければ、二度とこの街に踏み入るな」
オーウェン「……」
オーウェン「アレクシス・ゴールド、この借りは必ず返す。覚えておけ」
セシル「お前こそ覚えておけ、オーウェン・シルバー」
セシル「これが『本物の』金持ちのやり方だ」
オーウェン「……」
マリオン「……」
セシル「クリス、後は任せたぞ」
クリス「承知しました」
ローズ「すごい……本当にお店が手に入っちゃった」
ローズ「ありがとう、アレクシスさん」
セシル「別にお前のためじゃない」
ローズ「でも集団訴訟を起こすなら、お金を渡す必要はなかったんじゃない?」
セシル「店の権利は、あくまでオーウェンのものだ。あいつに制裁を与えることはできても、店が手に入るとは限らない」
ローズ「それじゃあ、他の経営者さんたちは……」
セシル「うちで雇い入れることにした。良い人材を提供してくれたという点に関しては、オーウェンに感謝だな」
ローズ「アレクシスさん、頭良い」
セシル「お前と一緒にするな、バカ」
ジェシー「アレクシス・ゴールドだと?それがお前の本名か?」
ローズ「ジェシーさん……」
ジェシー「どうして俺に隠してた?婚約までしていたのに」
マリオン「……」
ローズ「……」
セシル「あの頃は、実家と縁を切っていたんだ。別に隠したつもりはない」
ジェシー「……」
セシル「俺も驚いたぞ、ジェシー」
ジェシー「え?」
セシル「ローズとは家族同然の付き合いをしている上に、カイルまで可愛がっていたらしいな。それこそ家族になろうとしていた俺に、なぜ話さなかった?」
ジェシー「それは……」
ジェシー「男には、自分だけの隠れ家が必要なんだ」
セシル「意味わかんねぇよ」
セシル「まぁ良い。次は、お前との取引きだ」
ジェシー「取引き?」
セシル「この店の権利は俺が握っている。条件によっては、お前に譲ってやっても良い」
ジェシー「俺に……?」
ローズ「アレクシスさん、ここはマリーちゃんのお店だよ?」
セシル「知っている。だが、俺がマリオン・レインボーに権利書を譲る義理はないし、そんな約束もしていない」
ローズ「えー……私、頑張ったのに……」
マリオン「気持ちだけ受け取っておくわよ」
セシル「さて、取引きといこうか」
ジェシー「………………」
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一番の関係者なのに、空気扱いのマリーちゃん。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m