良い関係を築くには、価値観のすり合わせが必要である。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
エマ「テディ、おいで!」
エマ「よーし、良い子だね」
エマ「歳をとったはずなのに、以前より若返ったみたい」
ケヴィン「広い庭があるお陰で、体が鍛えられたんだ。毎日リスと格闘してるのも、良い運動になっているのかもしれないな」
セシル「お前たち、冬休みはいつまでなんだ?」
エマ「来月の半ばまで。でも、今週いっぱいで戻るつもり」
ケヴィン「え?クリスマスや年越しを一緒に過ごせないのか?」
エマ「エイデンがまだ小さいから、なるべくリタのお手伝いをしたいの」
クロエ「それに、エマは大好きな彼氏が待ってるもんね」
エマ「クロエ……!!」
ケヴィン「……彼氏?」
エマ「あー……えっと……」
エマ「お願いセシル、助けて」
セシル「お前な……」
ケヴィン「エマ、彼氏ができたのか?」
エマ「彼氏っていうか、ただの遊び友達だよ」
ケヴィン「お前、親の目が届かないところで彼氏なんか作って……」
エマ「別に良いでしょう?」
エマ「成績は落ちてないし、家の手伝いだってちゃんとしてる。何も問題ないよ」
ケヴィン「俺が何のために進学校に通わせていると思っているんだ?男と遊ぶためじゃなくて、勉強するためだ」
セシル「まぁ落ち着け、ケヴィン」
セシル「お前だって、高校生になってすぐに彼女作ったじゃねぇか」
ケヴィン「それとこれとは……話が別だ」
セシル「一緒だろうが」
ケヴィン「俺は進学校に通ってないから良いんだよ」
セシル「理由になってねぇよ」
セシル「安心しろ。ディランはBritechester大学の学生で、Oasis Springsで大手ハウスメーカーを経営するイエロー家の次男だ。結婚歴も犯罪歴もなければ、子供もいない」
ケヴィン「ディラン……?」
エマ「ちょっと、セシル。何で知ってるの?」
セシル「何でって、報告が来たからだ」
エマ「『報告』って……誰から?」
セシル「お前たちには、うちの護衛をつけている。ゴールド家の人間に関わると、危険な目に遭うこともあるからな」
クロエ「……もしかして、時々見かける黒服の人って、私たちの護衛なの?」
セシル「そうだ」
エマ「『そうだ』じゃないよ!変な組織に狙われてるのかと思って、怖かったんだから」
セシル「悪かったな」
セシル「とにかく、エマの交際相手に問題はない。気にするな」
ケヴィン「そうは言っても……」
クロエ「ディランのことは、リタがしっかり監視してるから大丈夫」
クロエ「それより、パパたちはどうなの?」
ケヴィン「どうって?」
クロエ「付き合って1年でしょう?結婚する気はないの?」
ケヴィン「あるよ」
セシル「ないな」
ケヴィン「結婚するつもりないのか?」
セシル「結婚するつもりなのか?」
ケヴィン「……」
セシル「……」
エマ「おっと、娘の交際より深刻な問題があるんじゃない?」
ケヴィン「俺は、当然このまま結婚するもんだと思っていたけど……お前は違うのか?」
セシル「俺は、結婚なんてするつもりはない」
ケヴィン「どうして?」
セシル「結婚なんてしようがしまいが、俺たちの生活は変わらない」
セシル「籍なんて入れても面倒なだけだ。だったら、このままで良いだろう?」
ケヴィン「面倒って……」
ケヴィン「そういう問題じゃない。これはケジメだ」
セシル「だから、そんなくだらない理由で、わざわざ結婚なんてするつもりはないって言っているんだ」
ケヴィン「くだらない?一番大事なことだろう?」
クロエ「なるほど。結婚以前に、価値観の相違があるようですね」
エマ「そのようですね」
ケヴィン「セシル、俺は……」
セシル「この話は、また今度にしよう」
ケヴィン「でも……」
セシル「クロエもエマも、またしばらく会えなくなるんだ。家族の時間を優先しろ」
ケヴィン「………………」
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Sulaniの豪邸は、ライアンの伝手を利用して建てられました。
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