思い込みは、簡単には取り払えない。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
リック「つまり……」
リック「レイチェル様を殺したってことですか?」
ジュリアン「殺してなんていないよ。閉じ込めただけ」
リック「ヴァンパイアはその状況で、どの程度生き延びることができるんですか?」
ジュリアン「さぁね」
ジュリアン「力のあるヴァンパイアなら、数百年は生きていられるんじゃない?」
リック「……」
ワイアット「……」
ワイアット「レイチェル様のことは、今後どう……」
リック「待て、ワイアット」
ワイアット「リック?」
リック「いいから、これ以上聞くな」
リック「レイチェル様はもう、ゴールド家とは関わりの無い人物だ。San Myshunoの件もそう。この家に直接的な関係はない」
リック「俺たちは、何も知らないことにしよう」
ワイアット「しかし……」
ジュリアン「リックの言う通りだね。これ以上知れば、兄さんに迷惑がかかることになるかも」
ワイアット「……」
ジュリアン「それよりワイアット、お願いがあるんだ」
ワイアット「何ですか?」
ジュリアン「イヴと付き合ってくれない?」
ワイアット「……え?」
ジュリアン「今回の件、協力したらワイアットが振り向いてくれるかも……って唆したら、すっかりその気になっちゃった」
ワイアット「どういうことですか?」
ジュリアン「俺は『かも』って濁したんだけど、あいつは恋人になれるって勘違いしていたみたい。思い込みが激しいタイプだね」
ワイアット「ジュリアン様、なんということを……」
ジュリアン「イヴはもう恋人になったつもりでいるから、あとは二人で話し合って」
ワイアット「なぜ当人のいないところで、そのような話になるのですか。勝手なことは……」
ジュリアン「あぁ、そうだ」
ジュリアン「今のうちに恋人協定を結んでおいた方が良いよ。あいつ結婚どころか老後のことまで考えてるから、ある程度制限が必要かも」
ジュリアン「じゃあね」
ワイアット「ジュリアン様……!!」
ワイアット「……」
リック「……」
リック「可愛い恋人ができて良かったな」
ワイアット「………………」
ライアン「久々に家族でゆっくり過ごせたか?」
クロエ「うん」
エマ「バッチリ」
リタ「クリスマス前に戻って来てしまって、親御さんに怒られなかった?」
クロエ「寂しそうではあったけど、怒ってはいなかったよ」
リタ「なんだか悪いことをしたわね」
エマ「そういえば、クリスさんに会ったよ」
ライアン「クリス?」
クロエ「そう。ライアンがいつも話してる先輩」
ライアン「え?どこで?」
クロエ「家に帰ったらいたの。セシルの秘書なんだって」
リタ「セシルって、あなたたちがいつも話している『もう一人のお父さん』よね?」
クロエ「そう」
リタ「ライアン、クリスって一流企業の営業マンじゃなかったの?」
ライアン「そのはずだけど……」
リタ「今はどこで何しているの?」
ライアン「さぁ……」
ライアン「先輩の仕事なんて興味ないから、聞いてない」
リタ「……あなたって本当に友達想いね」
リタ「もう一人のお父さんは、何の仕事をしているの?」
エマ「セシルは……」
クロエ「待って。セシルから家のことは誰にも言うなって、釘刺されてるでしょう?」
エマ「『家族以外には』って言ってたよ。ホストファミリーは家族だから良いんじゃない?どの道、クリスさんに聞けばわかることだし」
クロエ「そっか……」
リタ「エマ?」
エマ「セシルは、ゴールド財閥の会長だよ」
リタ「え?」
ライアン「いやいや、今のゴールド財閥の会長はアレクシス・ゴールドだ」
エマ「だから、アレクシス・セシル・ホワイト=ゴールド。パパの親友で、私たちのもう一人のお父さん」
リタ「え……?」
ライアン「まさか……」
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全ての道は、ゴールド家に通ず。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m