夢を叶えるには、周囲の理解と協力が必要である。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ルナ「ご馳走様でした」
バイオレット「美味しかった?」
ルナ「うん、とっても!」
ルナ「バイオレットは、Sulaniのレシピを全部マスターしたね」
バイオレット「そうね。ルナのおかげよ」
ハワード「そういえばバイオレットさん、お仕事が見つかったそうですね」
バイオレット「えぇ。売店がスタッフを募集していたから、応募することにしたわ」
ハワード「売店ですか……それは少々、もったいないですね」
バイオレット「え?」
ハワード「これほどの料理スキルがあるんです。レストランを始めてはいかがですか?」
ウィル「良いですね。この島にはレストランがないから、みんな喜びます」
バイオレット「無理よ」
バイオレット「私には、シェフの経験なんてないもの」
ルナ「でもお母さんもバイオレットの料理、美味しいって言ってたよ。やってみたら?」
ハワード「近いうちに島外に引っ越す人がいるんです。物件に一つ空きができるので、レストランに改装できないか見に行ってみてはいかがですか?」
ウィル「そうですね。新居も必要だし、すぐに見に行ってみます」
バイオレット「ウィル……」
ウィル「夢を叶えるチャンスだ。俺も手伝うから、挑戦してみようよ」
バイオレット「……」
バイオレット「わかった。見るだけ見てみるわ」
ルナ「楽しみだね」
ハワード「そうですね」
ルナ「っ……」
ハワード「まだ痛みますか?」
ウィル「ルナ、どうかした?」
ルナ「うん……最近ずっと、足が痛いの」
ウィル「痛い?」
ハワード「ただの成長痛だと思いますが、これ以上悪化したら隣の島の病院に連れて行くつもりです」
バイオレット「もしかしたら、その……人魚の体質が関係しているんじゃない?」
ルナ「明日お母さんが来るから、聞いてみようかな」
ハワード「それが良いですね」
バイオレット「原因がわかると良いけど……」
ウィル「そうだね」
ミア「どう?ルナ」
ルナ「うーん……海に入ると、少し楽かな」
ハワード「やはり体質的な問題でしょうか?」
ミア「人魚と人間の子供は、人魚になる前に『前兆』が現れると聞いたことがあります。もしかしたら、これがその前兆なのかも……」
ハワード「人魚になるのはルナちゃんの夢ですが、痛みが伴うのは辛いですね」
ミア「えぇ……」
ミア「今まで以上に、様子を見に来るようにします」
ハワード「私も、足の痛みを楽にする方法がないか調べてみます」
ミア「……」
ハワード「大丈夫ですよ。私はもちろん、ウィリアムやバイオレットさんもついていますから」
ミア「先生……」
ミア「ありがとうございます」
セシル「……というわけで」
セシル「今後は、ジュリアンを俺の後継者として教育することにした」
セシル「いずれは新規事業の責任者にするから、ビジネスの基本を叩き込んでやってくれ」
クリス「待ってください、会長。俺に秘書の仕事だけでなく、ジュリアンさんの指導までしろと言うんですか?」
セシル「……今の俺の話、聞こえていなかったのか?」
クリス「聞こえた上で納得できないって言ってるんですよ」
セシル「もちろん、相応の礼はさせてもらう」
クリス「……礼?」
セシル「ビクトリア、クリスはお前のことが好きだそうだ。クリス、ビクトリアはお前のことが好きだそうだ」
セシル「両想いで良かったな」
クリス「……え?」
ビクトリア「……え?」
セシル「お前たちを待っていたら、定年退職を迎えることになる。そろそろ交際くらい始めろ。以上だ」
セシル「ジュリアン、行くぞ」
クリス「……」
ビクトリア「……」
クリス「これって……」
ビクトリア「何も言わないで」
クリス「……はい」
セシル「聞いた通りだ、お前はしばらくクリスと行動しろ」
ジュリアン「……あのさ、兄さん」
セシル「会長」
ジュリアン「……会長」
ジュリアン「まさか本当にこのまま俺に継がせる気じゃないよね?」
セシル「どういう意味だ?」
ジュリアン「万が一に備えて、後継者になることは了承したけど……ゴールド家の血を引く人間が後継者になるべきだ」
セシル「その後継者がいないから、お前に頼んでいるんだ」
ジュリアン「結婚して子供を残す気はないの?」
セシル「……」
セシル「今のところ考えていない」
ジュリアン「ケヴィンとは恋人のまま?」
セシル「そうだな」
ジュリアン「ケヴィンは納得しているの?」
セシル「……」
ジュリアン「私生活に口を出すつもりはないけど、後継者問題となれば話は別だ」
ジュリアン「二人でちゃんと話し合ってよね。できれば、結婚して子供を残す方向で」
セシル「……」
セシル「……わかった」
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セシルにバレたのが、運の尽き。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m