Sims 7 days

PC版『The Sims4』の創作Blogです。シムたちのオリジナルストーリーを展開中。※一部BL要素を含みます。

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【Sims4】#71 現役引退【Season 2】

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仕事は人生ではなく、生きるための手段の一つである。

 

 ↓Season 1のまとめは、こちら。 

 ↓Season 2の第1話は、こちら。 

 

 

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セシル「ワイアット、リック」

 

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セシル「お前たち、いっっっつも居るな」

リック「え?」

 

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セシル「え?じゃねぇんだよ。これがどんなに異常なことか、わからないのか?」

ワイアット「異常……ですか?」

 

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セシル「お前たち、勤務体系はどうなってる?休暇は取っているのか?」

リック「休暇なんて、もう何年も取っていませんね……」

 

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ワイアット「ゴールド家の執事長には、休暇など必要ありません」

セシル「あのな……」

 

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セシル「いつの時代だと思っているんだ?現代には、労働基準法というものがあるんだよ」

 

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セシル「1日8時間以上は働くな。残業時間は月100時間以内に抑えろ。それから、有給休暇はきちんと消化しろ。良いな?」

 

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リック「もちろん、部下たちに無理な勤務はさせていませんが……俺たちは無理ですよ」

ワイアット「執事長と護衛責任者がいないのでは、ゴールド家は回りません」

 

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セシル「だから、この家の仕組みそのものが異常だと言っているんだ」

 

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セシル「お前たちはもういい歳なんだから、現場の第一線で活躍することばかり考えるな」

 

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ワイアット「……と言いますと?」

セシル「若い執事や護衛係も増えたことだ、次の代の教育に努めろ」

 

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リック「……俺たちに現役を退けっていうんですか?」

 

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セシル「執事長と護衛責任者の役職から外す気はない。ただ、業務は他の者に任せて、裏方に回ったらどうかと提案しているんだ」

 

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セシル「現にWindenburgの屋敷は、エドワードやジェームスが取り仕切っている。護衛係もそうだ。アイザックとルークが上手く回しているだろう?」

リック「それは、そうですが……」

 

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セシル「次の代を育てるには、信用してやることも大切だ」

 

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セシル「何もかもを一人で抱え込まないで、部下を信じて任せてみたらどうだ?」

ワイアット「……」

 

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ワイアット「旦那様には、何かお考えがあるようですね」

 

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セシル「お前たちに、それぞれ会社を任せたい」

リック「会社?」

 

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セシル「あぁ。ゴールド家の血筋は、今となっては俺一人だ。執事やメイド、護衛係をたくさん抱えていても、仕事がないのが現状だ」

 

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セシル「そこで、使用人や護衛係の派遣サービス会社を設立することにした。ゴールド家が長年培ってきたノウハウを、ビジネスに活用するんだ」

 

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ワイアット「……ゴールド家の歴史と伝統を、ビジネスに使うおつもりですか?」

 

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セシル「もちろん、会社の運営は財閥の者に任せる。お前たちには、社長として部下を育てて欲しい」

 

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ワイアット「承知致しかねます」

 

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ワイアット「歴代の執事長が長年積み上げてきたゴールド家への忠誠心を、ビジネスに使用するなど、先代に申し訳が立ちません」

セシル「ワイアット……」

 

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セシル「俺は儲けようと思っているわけじゃない。これは、保険なんだ」

リック「保険?」

 

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セシル「言っただろう?ゴールド家の血筋は、俺一人だと。万が一に備えてジュリアンを後継者に指名してはいるが、カイルにまでこんな重荷を背負わせるつもりはない」

ワイアット「……」

 

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セシル「俺はこの家が失くなっても、お前たちが生きていける居場所を作りたいんだ」

 

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リック「旦那様……」

 

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セシル「これは、ワイアットとリックだけの問題じゃない。この家が抱えている執事やメイド、護衛係のためでもある」

 

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セシル「お前たちは第一線を退いて、部下の教育に専念しろ。それから、私生活も充実させること」

 

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リック「私生活……ですか?」

セシル「趣味を見つけて、たまには旅行にでも行って来い。家庭を持って、子育てを楽しめ」

 

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セシル「こんな家に人生を捧げても、良いことなんて一つもないぞ。仕事のために生きるのはやめて、人生を謳歌しろ」

 

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セシル「特に、リック」

リック「え?……はい」

 

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セシル「第一線を退けば、命の危険にさらされることもないだろう?」

リック「それは、そうですが……」

 

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セシル「いつまでマリアを待たせる気だ?いい加減、男らしく責任を取れ」

 

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セシル「俺からは、以上だ」

 

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リック「アレクシス様……」

 

 

 

 

 

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ケヴィン「あと数日でこの家を出て行くのか……」

 

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ケヴィン「カイルと一緒に暮らせないのは、寂しいな」

 

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カイル「時々遊びに来ても良い?」

 

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ケヴィン「もちろん。いつでも遊びにおいで」

カイル「ありがとう、ケヴィンおじさん」

 

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ケヴィン「ジュリアンも、大好きなお兄ちゃんと離れるのは寂しいだろう?」

 

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ジュリアン「……俺のことより、自分の心配をしたら?」

ケヴィン「え?」

 

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ジュリアン「一体いつになったら、兄さんと結婚するつもり?」

 

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ケヴィン「ジュリアン、お前……俺がセシルと結婚することに賛成なのか?」

 

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ジュリアン「本当のことを言えば、もっと良い相手がいると思うけど……兄さんはあんたのこと気に入ってるみたいだし」

 

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ジュリアン「このままだと、俺がゴールド家を継ぐことになる。もうケヴィンで良いから、さっさと結婚して子供を残してよ」

ケヴィン「ケヴィンで良いからって、お前……」

 

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ジュリアン「花婿修行は、まだ終わらないの?」

 

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ケヴィン「……ワイアットに聞いてみないとわからない」

ジュリアン「なにそれ、自分の花婿修行を他人に丸投げ?そういうところがダメなんだよ」

 

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ジュリアン「本気で兄さんと結婚する気あるの?」

ケヴィン「すみません……」

 

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ジュリアン「せめてプロポーズだけでもしておいたら?今更だろうけど、何もないよりマシだ」

ケヴィン「努力します……」

 

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カイル「……」

 

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カイル「ケヴィンおじさんって、本当に面白いね」

 

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ケヴィン「カイル……」

 

 

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ジュリアンなりに背中を押している……のかもしれない。

 

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