恋愛は、結果よりも過程を重視するものである。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
バイオレット「ハワード……」
バイオレット「どうしていきなり結婚なんて言ったのよ?」
ハワード「私たちの関係が、結婚していてもおかしくない水準にあるのなら、結婚してしまった方が良いと思ったんです」
ハワード「交際から婚約、結婚という一連の流れを辿るよりも、よほど効率的でしょう?」
バイオレット「……効率的?」
バイオレット「つまりあなたは、過程を省いていきなり結果を提示してしまったわけね」
ハワード「はい」
バイオレット「あのね、ハワード……」
バイオレット「何もかもが、すぐに結果を求めれば良いというものではないわ」
バイオレット「特に恋愛は、過程によって結果が変わるものよ。はじめから結果なんてわかるものじゃない」
ハワード「そうなんですか?」
バイオレット「お医者さんだって、いきなり患者さんのお腹にメスを入れたりしないでしょう?」
バイオレット「診察をして、検査結果を待って、治療方法を考えてから手術をするはずよ」
ハワード「そうですね」
バイオレット「恋愛は、イメージや計算で結果を導き出せるものではないわ。実際に交際してみたり婚約してみなければ、結婚に辿り着けるかはわからない」
バイオレット「私たちが結婚していてもおかしくないと言ったのは、あくまで第三者としての意見よ」
バイオレット「結婚を提案する前に、当事者間で確認しておくべきことがたくさんあるでしょう?」
ハワード「確認……ですか?」
バイオレット「ミアは一緒に暮らせないのよ。どうやって夫婦として過ごすつもり?そもそも、ルナの気持ちはどうなるの?」
ハワード「ルナちゃんの気持ち……ですか?」
バイオレット「ミアはルナの母親なのよ。ルナの気持ちも尊重するべきでしょう?」
バイオレット「ミアやルナとよく話し合って。それが結婚までに必要な過程よ」
ハワード「……」
ハワード「わかりました」
ミア「ルナ、大丈夫?」
ルナ「……平気。少し驚いただけ」
ルナ「どうしてハワードは、結婚なんて言い出したんだろう?」
ウィル「ごめんね、俺が変なこと言ったから……」
ルナ「良いの。いつかはこういう話が出るんじゃないかって、覚悟してたから」
ミア「ルナは、先生のことが好きではないの?あなたが反対なら、私は……」
ルナ「そうじゃない。ハワードのことは、好きだよ」
ルナ「優しくて親切だし、お母さんと仲が良いのもわかってる。ただ……」
ミア「ただ?」
ルナ「本当に、お母さんのことを恋愛対象として見ているのかな?」
ミア「え?」
ウィル「どういう意味?」
ルナ「ハワードは人魚の研究が趣味なんだよ?お母さんのことを愛しているかわからない」
ミア「ルナ……」
ウィル「こんなに長い間良好な関係を築けているなら、ただの研究対象だというわけではないんじゃないかな?」
ルナ「だと良いけど……」
ルナ「ハワードの気持ちも疑問だし、私のお父さんの問題もある」
ウィル「お父さんの問題?」
ルナ「本当のお父さんのこともわからないままに、クリスに引き取られて、今度はハワードがお父さんになるの?」
ルナ「もう、付き合いきれない」
ミア「……」
ルナ「本当のお父さんのことは気になるけど、教えてくれないならそれでも良い。ハワードのことだって、お母さんが結婚したいのならそうすれば良い」
ルナ「戸籍や事実関係がどうなろうと、関係ない」
ルナ「私のお父さんは、クリスだけだから」
ミア「ルナ……」
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無償の愛を与えてくれたのは、クリス。
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