災いは、忘れた頃にやって来る。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
マリオン「ジェシー」
マリオン「あの子たちの姿が見えないけど、どこに行ったか知らない?」
ジェシー「あぁ、カイルの服を買いに行った」
マリオン「また?」
ジェシー「ジュリアンという財布に加えて、豪邸という巨大なクローゼットを手に入れたおかげで、ローズの買い物欲求が爆発したらしい」
マリオン「笑っていないで、止めなさいよ」
ジェシー「子育ても仕事も頑張ってるし、たまには良いだろう?」
コンコン
マリオン「誰かしら?」
ジェシー「見て来る」
ジェシー「はい……」
オリビア「ジェシー!ようやく見つけたわ。会いたかっ……」
バタンッ
オリビア「あら?」
マリオン「誰?」
ジェシー「セールスだった」
オリビア「ジェシー?ねぇ、ジェシーってば、ここを開けて頂戴!」
マリオン「あんたの名前、呼んでるわよ?」
ジェシー「……」
ガチャ
オリビア「私のジェシー!さぁ、ハグして」
マリオン「嘘でしょう……オリビア・ベネットじゃない」
マリオン「まさか本物に会えるなんて……」
オリビア「あら、あなたがジェシーの新しい恋人ね」
ジェシー「どうして知ってるんだよ?」
オリビア「愛するジェシーのことなら、何だって知っているわ」
マリオン「愛するジェシー?まさか……」
マリオン「元カノ?」
ジェシー「違う!!」
ジェシー「俺の母親なんだ」
マリオン「え?……母親!?」
マリオン「でも、オリビア・ベネットって、確かまだ30代じゃ……」
ジェシー「公称はな。実年齢は50歳だ」
マリオン「……嘘でしょう?」
ジェシー「何しに来たんだよ?」
オリビア「ご近所の挨拶よ」
ジェシー「ご近所?」
オリビア「えぇ。私の家は、お隣なの」
ジェシー「……ミラージュパークに住んでるんじゃないのかよ?」
オリビア「ジェシー、いつの話をしているの?私は今や世界的なスターよ。ピナクルズ以外に私にふさわしい場所なんてないわ」
ジェシー「……」
オリビア「もちろん、あなたが生まれ育ったミラージュパークの家は、残しているけれどね」
ジェシー「え?……手放さなかったのか?」
オリビア「あなたとの思い出の詰まった家を、手放すわけがないでしょう?」
ジェシー「……」
マリオン「ジェシー、私がオリビア・ベネットの大ファンだって知っていたのに、どうして教えてくれなかったのよ?」
マリオン「どうぞ、上がって。飲み物を用意するわ」
ジェシー「マリオン……」
オリビア「あら、気が利くのね。ありがとう」
オリビア「……」
ジェシー「どういうつもりだよ?また俺の恋人をチェックしに来たのか?」
オリビア「その通りよ」
ジェシー「マリオンは、今までの恋人とは違う。嫌がらせしたら許さないからな」
オリビア「それは、あの子次第ね」
オリビア「どんなに媚を売っても、私には通用しなくてよ」
オリビア「私のジェシーに手を出すような子、簡単には仲良くしてやらないんだから」
オリビア「本当?」
オリビア「マリーちゃんって最高ね!私の恋人になって欲しいわ。愛人でもよろしくてよ?」
マリオン「ごめんなさい。私は恋人に一途なの」
オリビア「もう……そういうところも素敵。ジェシーと別れたら連絡してね」
ジェシー(さっきと話が違うんですけど……!!)
オリビア「ジェシー、あなたの恋人はセシルしかいないと思っていたけど、マリーちゃんは特別ね」
オリビア「絶対に離してはダメよ」
ジェシー「………………そうだな」
ジェシー(さすが接客のプロ。歴代の恋人に散々嫌がらせしてきた俺の母親を、たった30分で陥落させるとは……)
ジェシー(ゴールド財閥の会長が、直々にスカウトしに来た理由がわかった気がするな)
----------------------------------------
ジュリアンという財布のおかげで、ジェシーの財布は安泰です。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m