親の気持ちがわかる頃には、子供の気持ちがわからなくなる。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
エマ「リタに電話したでしょう?」
ケヴィン「……あぁ」
ケヴィン(これは『パパ大嫌い』って言われるパターンだな……)
エマ「あのさ、パパ」
ケヴィン「……はい」
エマ「ごめんね」
ケヴィン「え?」
エマ「あれからリタやライアンと話して、気付いたんだ。やっぱり、私はまだ子供みたい」
エマ「獣医になるどころか学校も卒業していないのに、結婚なんて早すぎるよね。パパやリタが怒るのも、無理ないかも」
ケヴィン「エマ、俺は怒ってなんか……」
エマ「不安だったんでしょう?わかってる」
ケヴィン「……」
エマ「ディランと話し合って、まずは勉強と就職に専念することにした」
エマ「私たちの将来が安定したら、改めて結婚について考えるよ。だから、安心して」
ケヴィン「エマ……」
ケヴィン「俺も悪かった。あれからセシルに怒られたよ」
エマ「セシルに?」
ケヴィン「あぁ、お前は心配し過ぎだって」
ケヴィン「エマは今、子供と大人の境界線上にいるんだから、頭ごなしに否定せずに夢くらい語らせろだと」
エマ「セシルっぽい」
ケヴィン「……俺は若くして結婚して、たくさんの幸せを手にできた。でも、同じくらい苦労も経験した」
ケヴィン「エマが俺と同じ苦労をするかもしれないと思ったら、黙っていられなかったんだ」
エマ「パパ……」
エマ「私も、本当は大人になりたいわけじゃない」
ケヴィン「え?」
エマ「パパに、認めて欲しかっただけだよ」
エマ「私だって、将来のことを楽観的に考えているわけじゃない。学校も仕事も、結婚も、不安だらけ」
エマ「だから『エマならできる』って、背中を押して欲しかったの」
ケヴィン「エマ……」
エマ「パパに反対されてショックだったけど、良い勉強になった」
エマ「パパだって、不安に思うことがあるんだね」
ケヴィン「……」
ケヴィン「大人だって、完璧じゃない。不安もあれば、心配もある」
ケヴィン「自分の子供のこととなれば、尚更だ」
エマ「……」
エマ「パパを安心させられるくらい成長するよ」
エマ「だから、もう少し子供でいて良い?」
ケヴィン「もちろん」
エマ「良かった。とりあえず、あと6年は子供でいるつもり」
エマ「私たちの学費よろしくね」
ケヴィン「……」
ケヴィン「今回の個展が終わったら、また絵を描かないとな……」
エマ「パパ大好き」
クロエ「レナードのお父さんは、何してるの?」
レナード「俺の父親は、Del Sol Valleyで不動産会社を経営している」
クロエ「社長さんってこと?」
レナード「そう。Del Sol Valleyの不動産王」
クロエ「お金持ちなんだね。それじゃあ、レナードは未来の不動産王ってこと?」
レナード「その予定」
クロエ「お父さんの不動産会社って、その……ゴールド財閥と仲が悪かったりする?」
レナード「え?」
レナード「いや、むしろうちの会社はゴールド財閥の傘下だ」
クロエ「本当?良かった……」
レナード「良かった?」
クロエ「ううん、こっちの話」
レナード「……」
レナード「クロエって彼氏いるの?」
クロエ「え?何、急に?」
レナード「気になっただけ」
クロエ「今はいないけど……っていうか、ずっといないけどね」
レナード「そう……」
レナード「じゃあさ、俺と付き合ってよ」
クロエ「……え?」
クロエ「あの……私たち、まだ知り合ったばかりだよね?」
レナード「うん。でも、ケヴィン・グリーンの娘に興味がある」
クロエ「それって、私じゃなくてパパが目当てってこと?」
レナード「クロエ」
レナード「俺は未来の不動産王だ」
クロエ「……」
クロエ「良いよ。交渉成立」
レナード「よろしく、クロエ」
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黒い取引が成立しました。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m