見える敵よりも、見えない敵の方が恐ろしい。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
ビクトリア「イーサン」
ビクトリア「報告書を確認したわ。上出来よ」
イーサン「ありがとうございます」
ビクトリア「このまま例の件もお願い」
イーサン「はい、すぐに仕上げます」
クリス「……」
ビクトリア「クリス、待たせたわね」
クリス「ビクトリアさん……」
クリス「彼、ずいぶん変わりましたね」
ビクトリア「イーサンのこと?」
クリス「会長に暴言を吐いた人物と、同一人物だとは思えません」
ビクトリア「そうね。あの頃が嘘みたいだわ」
ビクトリア「仕事はできるし人当たりも良い。このまま成長すれば、優秀な経営者になれるでしょうね」
クリス「そうですか」
ビクトリア「さぁ、会長室に向かいましょう」
クリス「……はい」
セシル「お前たち、遅いぞ」
クリス「遅くありません。約束の時間10分前ですよ」
セシル「俺と約束する時は、15分前には来い」
クリス(15分前に来たら、早すぎるって怒るクセに……)
セシル「それで、俺に何の用だ?」
クリス「Sulaniの件です」
セシル「自然保護活動に興味はないと言ったはずだ。財閥が散々嫌がらせを受けている現状は、知っているだろう?」
クリス「自然保護活動の話ではありません。開発事業の件です」
セシル「開発事業?」
クリス「Sulaniを自然保護区域から意図的に外そうとしている組織がいるようです」
クリス「開発事業を狙っているのかと思って財閥のデータベースを探ってみましたが、それらしい組織は見当たりませんでした」
セシル「……」
クリス「島を丸々開発しようとするような大規模な組織なら、財閥のデータベースに引っかかるはずです。調べてもわからないということは……」
セシル「犯罪組織か、国を買収しているかのどちらかだな」
クリス「そうです」
ビクトリア「Sulani自体は財閥に無関係ですが、それなりに力を持った組織の存在を把握できないのは危険です」
ビクトリア「いずれゴールド財閥と敵対することになるかもしれない。それを懸念しているんです」
セシル「……」
セシル「クリス、確かSulaniには元警察官がいたな」
クリス「はい」
クリス「ウィリアム・グレーは、警察本部の元捜査官です」
セシル「ウィリアムを警察官として復帰させろ」
クリス「え?でも……」
セシル「本部には俺が圧力をかける。ウィルアムに警察官としての権限を与えて、裏で動いている組織がないか調査させろ」
クリス「……承知しました」
セシル「……」
セシル「何してんだ、さっさと行動しろ」
クリス「え?今ですか?」
セシル「ビジネスはスピードが命だと習っただろう?行け」
クリス「……はい」
セシル「……」
ビクトリア「裏社会の組織が関与していそうですね」
セシル「あぁ」
セシル「反ゴールド同盟の動きが掴めないのも気がかりだ」
ビクトリア「彼らが関わっていると?」
セシル「さぁな」
セシル「あいつらに限らず、ゴールド財閥の敵は多い」
セシル「表だろうと裏だろうと、構わない。向かって来る敵は潰すだけだ」
セシル「だが、敵の正体を把握できないことだけは絶対に避けたい」
ビクトリア「……そうですね」
セシル「ビクトリア、イーサンはどうしてる?」
ビクトリア「真面目に仕事に取り組んでいますよ」
セシル「経営者として使えそうか?」
ビクトリア「はい。しかし、残念ながら……」
ビクトリア「彼は『クロ』です」
セシル「……そうか」
セシル「後は俺に任せろ」
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ゴールド財閥の人間は、みんな自然保護アレルギー。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m