大切な人の幸せは、側で祝福したいものである。
↓Season 1のまとめは、こちら。
↓Season 2の第1話は、こちら。
セシル「何だと……?」
リック「ですから、俺たち結婚しました」
セシル「結婚するって報告じゃなくて、結婚『した』って事後報告なのか?」
リック「そうです」
マリア「それから私、妊娠したので冬には産休をいただきます」
セシル「……」
セシル「お前たち、誰の許可を得て話を進めてるんだ」
リック「いや、アレクシス様が結婚しろって言ったんでしょうが」
セシル「ふざけんな」
セシル「俺はお前たちのために、半年も前から礼服を用意させていたのに、何勝手に結婚してんだよ」
セシル「式はどうした?」
リック「二人だけで済ませました」
セシル「……マリアはそれで良かったのか?」
マリア「はい」
マリア「本当は、アレクシス様やワイアットにも来て欲しかったのですが……」
イヴ『リック様と婚約されたそうですね。おめでとうございます』
マリア『ありがとう』
イヴ『結婚式が楽しみですね』
マリア『そうね』
イヴ『純白のドレスに身を包んで、参列者に見守られながら誓いのキスを交わす……女性の憧れです』
マリア『……誓いのキス?』
イヴ『はい』
イヴ『それが結婚式でしょう?』
マリア『……』
リック「マリアがどうしても人前でキスはしたくないって言うから、一旦は結婚式をやめることにしたんです」
マリア「でも、どうしてもウェディングドレスが着たかったので、二人だけで式を挙げました」
セシル「結婚式に憧れるクセに結婚式はしなくないって……どんだけ面倒くさい女なんだ。お前は」
マリア「写真ができたらお見せしますね」
セシル「あぁ、そうかよ。おめでとう」
ケヴィン「セシル荒れてるな」
ワイアット「リックとマリアは、アレクシス様にとって兄と姉のような存在です。結婚式に呼ばれなくてがっかりされたのでしょう」
ケヴィン「なるほど、拗ねてるわけか」
ケヴィン「そういえば、ワイアットとイヴは結婚しないのか?」
ワイアット「私たちは、交際を始めて間もないので……」
ケヴィン「間もないって、もう半年だろう?」
ケヴィン「このままだと、グレージュ家が途絶えてしまうぞ」
ワイアット「ケヴィン様」
ワイアット「グレージュ家は、元々世襲制ではありません」
ケヴィン「え?」
ワイアット「グレージュとは、血筋に関係なくゴールド家の執事長が名乗る姓です」
ワイアット「私の父はゴールド家の執事でしたが、執事長ではありませんでした。私は先代の執事長の養子となって、この座を継いだのです」
ケヴィン「……そうだったのか」
ワイアット「一昔前まで、執事長の座に就いた者は、生涯ゴールド家に仕えることが当たり前でした。結婚して家庭を持つ者など、いなかったのです」
ワイアット「私が子供を残さなくとも、後継者を指名すれば済む話」
ワイアット「わざわざ結婚しようとは思えません」
ケヴィン「……」
ケヴィン「ワイアットはそれで良いのかもしれないけど……イヴはどう思っているんだろうな?」
ワイアット「イヴですか?」
ケヴィン「イヴには、結婚願望はないのかな……って」
ワイアット「……」
ケヴィン「それに、リックとマリアの結婚を望んだってことは、セシルもワイアットに早く身を固めて欲しいんじゃないか?」
ワイアット「アレクシス様が?」
ケヴィン「リックやマリアを兄や姉のように思っているってことは、ワイアットのことも兄のように思っているってことだろう」
ケヴィン「結婚云々の話は抜きにしても、幸せを願っていることは間違いない」
ワイアット「……だとしたら」
ワイアット「こんなに幸せなことはありませんね」
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セシルは、結婚式を楽しみにしていたようです。
やる気スイッチです。応援よろしくお願いしますm(__)m