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レイ「オーナー?」
マリオン「あら、レイ。早いのね」
レイ「事前に連絡をくれれば、もっと早く来ました」
マリオン「気を遣わないで。私は周年祭の準備の様子を見に来ただけだから」
マリオン「そうそう、スタッフの皆に結婚の報告もしないとね」
レイ「……」
マリオン「ねぇ、レイ。あんたがジェシーのことを嫌ってるのはわかってる」
マリオン「ただの常連でしかなかったジェシーが、Del Sol Valley店の店長に就任したり、オーナー並に店のことに口出しすることが気に入らないんでしょう?」
レイ「そんなことは……」
マリオン「ジェシーからは黙っているよう言われたけど、レイには本当のことを教えておくわ」
レイ「本当のこと?」
マリオン「ジェシーは、オーナー面してるわけじゃない。実質オーナーなのよ」
レイ「……どういうことですか?」
マリオン「この店は、オーウェン・シルバーの下で経営していたことは知っているわね?」
レイ「元々のオーナーは、あの人でしたね」
マリオン「この店と私をオーウェンから解放してくれたのは、ゴールド財閥」
マリオン「そのゴールド財閥と私をつないでくれたのが、ジェシーだったのよ」
レイ「……え?」
マリオン「ボスはこの店の権利を手にした時、私ではなくジェシーに与えたの。でも、ジェシーは私が長年この店を経営し、成長させて来たことを知っている」
マリオン「だから、ジェシーはこの店の権利を私に譲渡してくれたの。無償でね」
レイ「……」
マリオン「この店の正式なオーナーは私。でも、本来はジェシーこそがオーナーになるべきだったのよ」
レイ「……どうしてそんな大切なことを隠していたんですか?」
マリオン「嫌われ役にはなっても良いけど、オーウェンのような憎まれ役にはなりたくないんですって」
マリオン「嫌われ役にはメリットがあるけど、憎まれ役にはデメリットしかないらしいわ。まぁ、ジェシーなりに考えがあるんでしょう」
レイ「……」
マリオン「実はね、今、ジェシーと養子をもらおうと考えているの」
レイ「養子ですか?」
マリオン「仕事一筋で生きて来たけど、結婚を機にプライベートも充実させようと思ってね」
レイ「……オーナーが?」
マリオン「意外に思うかもしれないけど、本気よ」
マリオン「そこで、レイにお願いがあるの」
マリオン「Del Sol Valleyで私のオーナーとしての仕事や、ボスから任されているコンサルタントの仕事を手伝ってほしいのよ」
レイ「ジェシーさんがいるじゃないですか」
マリオン「もちろんジェシーも頼りにしてるわよ。でも、それは主にプライベートでの話」
マリオン「私の仕事を任せられるのはレイ、あんただけよ」
マリオン「レイは、私が初めて一から育て上げた大切なスタッフだもの。仕事上のパートナーという意味で、あんた以上に信頼できる人は他にはいない」
レイ「オーナー……」
マリオン「心配なのは、ジェシーとの関係よ。レイがDel Sol Valleyに来ることになれば、今後はジェシーと関わる機会も増える」
マリオン「ジェシーとは、上手くやれそう?」
レイ「……大丈夫です」
レイ「ジェシーさんとの関係が悪いのは、俺が子供だから。俺が態度を改めれば、ジェシーさんは上手く対応してくれるはずです」
マリオン「……思っていた以上に自己分析できてるわね。さすが、私のレイ」
レイ「オーナー」
レイ「俺がDel Sol Valleyに行くことになったら、この店はどうなるんですか?」
マリオン「San Myshuno店の店長は、リアムに任せるわ」
レイ「リアムに?」
マリオン「実は、先日リアムから正社員登用してほしいって申し出があったのよ」
レイ「あいつが……?」
マリオン「リアムはアルバイトではあるけど、もう10年近くこの店に勤めてくれている。なにより、レイの元で店長の役割についてしっかり学んできた」
マリオン「このまま正社員になって店長に就任しても、問題ないでしょう?」
マリオン「この店は大丈夫。あとは、レイがDel Sol Valleyに来るかどうかよ」
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