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マリオン「そういえば、あの子は大丈夫？」
レイ「あの子？」
マリオン「レイがこの間、Del Sol Valleyに連れて来た女の子よ」
レイ「カレンですか？」
マリオン「あの子、恋人でしょう？レイがDel Sol Valleyに行くことになっても大丈夫？」
レイ「……カレンは恋人じゃありません」
マリオン「そうなの？」
マリオン「あんたが女の子連れてるなんて珍しいから、てっきり恋人だと思ってたわ」
レイ「俺は、恋人は作らないと決めていますから」
マリオン「レイ……」
マリオン「プライベートを充実させることが、完璧な仕事につながる」
レイ「え？」
マリオン「仕事だけに生きる人生なんて、味気ないものよ。私もその事実に気付くまで、ずいぶん時間がかかった」
マリオン「親が失敗したからといって、子供も失敗するとは限らない」
マリオン「これからの未来を決めつけてはダメよ。何事も挑戦してみないと」
レイ「オーナー……」
レイ「カレン」
カレン「レイちゃん、どうしたの？」
レイ「実は、俺もDel Sol Valleyに行くことになった」
カレン「え？レイちゃんも？」
レイ「オーナーから、Del Sol Valleyで仕事を手伝うよう頼まれたんだ」
レイ「来月の周年祭が終わったら、すぐにDel Sol Valleyに引っ越すつもりだ」
カレン「……カレンより早く引っ越すの？」
レイ「そうなるな」
カレン「そっか。それじゃあ、みんなバラバラになっちゃうんだね」
レイ「リアムとサムは、この家に残るだろう？」
レイ「今生の別れじゃないんだ、みんな会おうと思えばいつでも会える」
カレン「そうだけど……やっぱり寂しいよ」
レイ「……」
レイ「一人になるのが寂しいなら、Del Sol Valleyで一緒に暮らさないか？」
カレン「え？」
カレン「カレンは嬉しいけど、レイちゃんは良いの？それに……」
カレン「恋人でもないのに一緒に暮らすのって、少し変じゃない？」
レイ「そうだな。それじゃあ……」
レイ「俺の恋人になってくれるか？」
カレン「………………」
カレン「どうしよう、大変……」
レイ「カレン？」
カレン「リアム君、サム！レイちゃんがおかしくなっちゃった!!」
レイ「落ち着け。俺はおかしくなっていないし、リアムもサムも仕事でいない」
カレン「何で？どうして急にそんなこと言うの？レイちゃん、恋人は作らないって言ってたのに……」
レイ「色々、考え直したんだ」
レイ「両親のように不幸になりたくなくて、今まで付き合ってきた相手は突き放していた。でも、カレンは違う」
レイ「カレンは、俺が初めて心から向き合いたいと思えた女性なんだ」
レイ「カレンが相手なら、きっと両親のように不幸にはならない。そう思えたんだ」
カレン「レイちゃん……」
カレン「カレンで良いの？」
レイ「カレンで良いんじゃない」
レイ「カレンが良いんだ」
レイ「こんな俺で良ければ、これからも側にいてほしい」
カレン「レイちゃん……」
カレン「大好き」
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