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リアム「また大賞を逃したのか?」
サム「……」
サム「レイもカレンもDel Sol Valleyに引っ越しちゃうし、私はまた大賞逃しちゃうし……最悪な気分」
サム「仕事休んだのに大賞を取れないってことは、やっぱり才能ないのかも」
リアム「仕事休んだって言っても、たった1ヶ月だろう?簡単に自分の才能を否定するな」
サム「だって……」
リアム「サム。お前、仕事辞めろ」
サム「……は?」
サム「無理だよ、生活できないもん。無一文でどうやって生きていけっていうの?」
リアム「金なら俺が稼ぐから、心配するな」
サム「え?」
リアム「お前が執筆に集中できないのは、仕事や時間に追われて焦るからだ」
リアム「これからは俺が稼ぐ。だからお前は仕事を辞めて、執筆に専念しろ」
サム「……気持ちは嬉しいけど、リアムにそこまで迷惑かけられないよ。それに、リアムの給料だけで私たち二人が生活するなんて無理でしょう?」
リアム「実は、先日オーナーに正社員にしてもらったんだ。来月には、俺はSan Myshuno店の店長に就任する」
サム「……正社員?レイの後任を任されたの?」
リアム「あぁ。店長クラスの給料がもらえれば、二人でも十分生活していける」
リアム「サムの夢が叶うことが、俺の夢だ。だから金のことは心配しないで、お前は大賞取ることだけ考えろ」
サム「リアム……」
サム「なにそれ、プロポーズみたい」
リアム「プロポーズみたいじゃない、プロポーズだ」
サム「……本気?」
リアム「さすがの俺も冗談でプロポーズしたりしない」
リアム「何もかも中途半端だけど、俺にも一つだけ貫いてきたことがある」
リアム「今まで素直に言えなかったけど、ずっとサムのことが好きだった」
リアム「もう他の女と遊んだりしない。バンドは趣味に留めて、仕事を本気で頑張る。だから……」
リアム「俺と結婚してください」
サム「リアム……」
カレン「リアム君、サム、婚約おめでとう!」
サム「ありがとう。カレン」
レイ「水を差すようで悪いんだが……お前たち、いつから付き合っていたんだ?」
リアム「付き合ってない。交際0日婚約」
レイ「0日……」
レイ「サムはそれで良いのか?」
サム「まぁね。20年以上一緒にいて、今更他の男性と一緒になるなんて考えられないし……」
サム「腹立つこともあるけど、リアム以上に気の合う人なんていない。リアムには良いところもたくさんあるしね」
リアム「サム……」
カレン「素敵!人の数だけ婚約の形があるんだね」
レイ「素敵……なのか?」
マリオン「レイ、リアム」
マリオン「いらっしゃい。みんな揃ったのね」
ジェシー「あのリアムが正社員になるってだけでも驚いたのに、まさか婚約までするとはな」
リアム「俺だって成長してますから」
ジェシー「そうかよ。おめでとう」
マリオン「今日は貸切だから、好きに使って」
リアム「ありがとうございます。オーナー」
マリオン「あなたたちは、結婚の予定はないの?」
カレン「時期は決まってないけど、結婚はする予定です」
レイ「……そうなのか?」
カレン「カレン、レイちゃんとの結婚式の予定までしっかり立ててるから安心して」
ジェシー「しっかり者の恋人ができて良かったな、レイ」
レイ「……」
レイ「カレン。俺はまだ結婚は……」
カレン「レイちゃんが結婚する気になったらで良いよ。いつまでも待つから」
カレン「カレンは今までもこれからも、レイちゃん一筋だもん」
レイ「……」
レイ「お前には敵わないな」
マリオン「さぁ、みんなで乾杯しましょう」
END
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