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ウォルター「事件って……何があったの?」
フランシス「リリアンが高校を卒業して間もなく、妊娠したの」
ウォルター「妊娠?赤ちゃんができたの?」
フランシス「リリアンには、ケヴィンという彼氏がいた」
フランシス「私も何度か会ったことがあるけど、明るくて人当たりの良い子でね。リリアンとはお似合いだった」
フランシス「そんな二人を、私は心から応援していたの。でも……」
フランシス「リリアンから妊娠したと言われた時は、冷静ではいられなかった」
フランシス「リリアン!落ち着いて考えてみろ」
フランシス「お前自身まだ18歳の子供なのに、出産して子育てなんてできるわけない」
フランシス「シェフになる夢はどうするんだ?ケヴィンは画家を目指すんだろう?子供なんて生まれたら、お前もケヴィンも夢を追うどころじゃなくなるんだぞ」
リリアン「わかってる」
フランシス「わかっていないだろう!?」
リリアン「全部わかってる!」
リリアン「兄さん、私は至って冷静よ。子供のことはケヴィンとよく話し合った」
フランシス「まさか……」
リリアン「私、この子を産むわ。ケヴィンと協力して立派に育ててみせる」
フランシス「リリアン、気持ちはわかるが現実は甘くない。お前たちの判断次第で、誰よりも子供が苦しむことになるんだぞ」
リリアン「簡単じゃないことはわかってる。でも、夢も子供も諦めるつもりはないわ」
リリアン「子供が大きくなるまでは、子育てに専念する。シェフにも画家にも年齢制限はないもの。子供たちの成長を見届けてから夢を追うつもりよ」
フランシス「両親には何て言うつもりだ?あの厳格な父が、そんな絵空事を認めるとでも?」
リリアン「認めてもらえなくても良い。父さんに助けてもらうつもりはないもの」
リリアン「兄さんから援助してもらうつもりもないから、安心して」
フランシス「リリアン、俺はお前を見捨てたりしない」
リリアン「父さんが私と縁を切れと命じたら?」
フランシス「……え?」
リリアン「父さんに逆らってでも、私の味方をしてくれるの?」
フランシス「それは……」
リリアン「できるわけない。本当の自分を隠して生きてる兄さんに、そんな勇気ないもの」
フランシス「リリアン……」
リリアン「兄さんに何度も言ったわよね?父さんに気を遣う必要なんてない。自分を偽らずに正直に生きてって」
リリアン「兄さんは、大人になった今でも父さんには逆らえない」
フランシス「……」
リリアン「私は臆病な兄さんとは違う。父さんに何と言われても、お腹の子供を守ってみせる」
フランシス「待て、俺は……」
リリアン「私に関われば、兄さんもただでは済まない。ここでお別れしましょう」
リリアン「私たちは、もう二度と会わない方が良い」
リリアン「さようなら、兄さん」
フランシス「リリアン……」
ウォルター「……リリアンさんは、どうなったの?」
フランシス「父から勘当され、家を飛び出したわ」
フランシス「臆病な私は父に逆らうことができず、そのままリリアンを引き止めることもせずに見送ってしまった」
フランシス「それから二度と彼女と再会することはなかった」
ウォルター「……」
フランシス「彼女が家を飛び出した4年後に、亡くなったという知らせが入ったの」
ウォルター「どうして……?」
フランシス「原因はわからない。突然死だったそうよ」
フランシス「あの子のことだから、色々と無理をしてしまったのかもしれない」
ウォルター「……」
フランシス「ケヴィンから連絡をもらって、聞きたいことや話したいことがたくさんあったんだけど……運悪く、電話を受けたのが父でね」
フランシス「おじいちゃんの性格は知っているでしょう?」
ウォルター「……うん」
フランシス「『うちに娘なんていない』の一言で電話を切られてしまって、ケヴィンと繋がるチャンスを完全に潰されてしまった」
ウォルター「待って。それじゃあ、どうしてお父さんはリリアンさんのお墓がある場所を知っているの?」
フランシス「それはね……」
フランシス「リリアンとの再会は叶わなかったけど、ケヴィンとは再会できたのよ」
ウォルター「ケヴィンさんと……?」
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